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A「えぇ、熱出たの！？」
光『ごめん、今日無理だわ…』
受話器の向こう側から、いつもと全然違う弱々しい声が聞こえてくる。
A「大丈夫？何か買って行こうか？」
光『へーき…バイト終わりにヤバそうだなって思って買い物だけはしてある…』
目の前には、段ボール箱にマジックで殴り書きされた『平成芸大中庭 新入生歓迎会 受付』の文字が見える。バイト終わりの彼と、本来ならここで合流するはずだったのに。
夜桜の下、すでに向こう側では宴会が始まっている。
特にサークルに所属していなくても、大学にはいろんなコミュニティがあることを、入学してから知った。
今日はアトリエの棟にある中庭を使っている新入生向けの歓迎会、らしく。
中庭は、私たち油絵科が主に使っている棟と、主に音楽系の学科の人が使っているスタジオが入った棟に挟まれているから、
既に結構な人数が集まって、レジャーシートの上で盛り上がっているのが見えた。
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こんな、知らない人がいっぱいのところなんて最も苦手とする場面だったのだけど、
せっかく大学生になったんだから、こういうのも絶対行っといた方が良い！
って光が言うから、
光と一緒ならまぁいっか、って思ったのに。
…帰ろう。
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電話を切って、受付に背を向けて一歩、踏み出したその時
「あ、受付ここだよー！」
A「え、あ、あの…」
「あ、新入生だよね？」
A「はい…」
目の前にいたのは、カーディガンを肩から羽織った、綺麗なお姉さんの先輩で、
急に声をかけられてどぎまぎする。
音楽科の人かな？
油絵科にはあまり見ないタイプ。
「先にお金もらってるのー。新入生は1000円！良いかなー？」
A「あ、あのでも私今日は…」
「星野くーん！そっち空いてる？」
今日は帰ります、と喉元まで出ているのに、言い出せない。
ざわざわした宴会の方から、空いてるよー！って声が返ってきた。
「あ、じゃぁ、お金、いい？」
A「あ…は、はい…」
なんだか引けなくなって、流れでお財布から取り出した千円札。
「こっちだよー！」
『星野くん』と呼ばれた眼鏡をかけた細身の先輩が、ニコニコと手招きをしている。
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夜神月風火 - いつも楽しみに読んでます。ちゃみさんがだいすきなので、更新されるたびにうれしく思います！無理なさらず頑張ってください！ (2019年8月15日 15時) (
レス) id: d7aa5f874c (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - Twitterで２つ連載されると聞いてわくわくしながら待ってました！いつもちゃみさんの新作を見るとどんな伊野尾くんでも本当にきゅんきゅんするんです！２つ同時に連載されるのは大変かと思いますが、無理なさらないでくださいね！ずっと待ってます！ (2019年4月5日 1時) (レス) id: 06987761d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2019年3月22日 0時
