#10 ページ12
辺りを見回すけど、みんなそれぞれの場所でおしゃべりに夢中で、
こちらを気にかけてくれるような人は見当たらない。
そもそも『酔っ払い』というものに対する免疫なんてほとんどないから、なんかちょっと恐怖さえ感じる。
こんなのいきなりレベル高すぎて対処できないよ、光…！
既にぬるくなっている缶を、小さく震える手でぎゅっと握りしめた、その時。
.
「もーらい」
A「あ、」
「オイ！なんだお前ー！」
不意に手元の缶が奪われる。
突然目の前に現れた男の子が、ぐい、とその缶を傾けていて。
…もう無理、今度は誰…？
もはや展開についていけず、ちょっぴり涙目になってその様子を見上げると…
「ぷは、」
「わ、もう全部飲んだのお前！」
「ごちそうさまです先輩！」
その、ちょっと鼻にかかった特徴のある声に、聞き覚えがあった。
「ってゆーか！先輩方こそ飲んでます？ほら、全然飲んでないじゃないですかー！」
彼はへらへらと猫背のまま、2人に新しい缶ビールを渡していく。
.
「はっは！お前気ぃ効くじゃん！1年？」
「あざーっす！1年の伊野尾っす！」
「お前も飲めよ」
「良いんすか！？カンパーイ！」
.
彼のキノコみたいな頭は、今夜もふわふわしていた。
光の友達の、伊野尾くん…
.
その時急に、向こうのブルーシートに座っていた集団がワァっと盛り上がって、
「お？なんだ？」
泥酔状態の先輩たちは、千鳥足でそっちの方に向かっていった。
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夜神月風火 - いつも楽しみに読んでます。ちゃみさんがだいすきなので、更新されるたびにうれしく思います！無理なさらず頑張ってください！ (2019年8月15日 15時) (
レス) id: d7aa5f874c (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - Twitterで２つ連載されると聞いてわくわくしながら待ってました！いつもちゃみさんの新作を見るとどんな伊野尾くんでも本当にきゅんきゅんするんです！２つ同時に連載されるのは大変かと思いますが、無理なさらないでくださいね！ずっと待ってます！ (2019年4月5日 1時) (レス) id: 06987761d1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちゃみ
| 作成日時：2019年3月22日 0時
