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ここら辺でいいか、と河川敷の土手に腰を下ろして夜空を見上げる。
慧「あ、あれってハート?」
耳元で聞こえる楽しそうに弾んだ声。絡ませて握ったまんまの手。くっついた肩と肩。
A「えー?どうだろ?ハートかな」
慧「違うかなー」
2人で夜空に煌めく光の粒を見上げながら、あっという間に過ぎていく時間。
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花火も終盤に差し掛かる。クライマックスの前の、少し長めのインターバル。
静かな夜空を見上げながらふと、今だな、と思った。
A「慧、神社であんなに長く、何お願いしてたの?」
慧「へ?決まってんじゃんそんなん、」
A「んー?」
慧「世界の平和だよ」
A「えぇ、絶対嘘だぁ」
慧「ふは、なんだよ絶対って」
彼はいつだってふわーっと柔らかく笑いながら、決して核心には触れさせてくれない。
きゅ、と繋いだ手を強く握った。
A「慧、あのさ、」
慧「んー?」
一瞬だけ胸に緊張が走ったけど、ぐっと飲み込んだ。
A「前から聞こうと思ってたんだけど、」
慧「うんうん」
A「その…初めて会った日に私に言ってたこと…覚えてる?」
慧「ん?俺がAんちに来た日の夜?」
A「…そう。」
彼の目を見るのが少し怖くなって、夜空に視線を移した。
慧「うん。覚えてるよ」
なんでもない感じでそう返されて、だけど胸の真ん中辺りがドキ、と揺れる。
A「慧、は私のこと、知ってるんだよね」
慧「もちろん」
A「でもね、私…やっぱり思い出せなかった。慧のこと」
慧「…うん。」
今、慧はどんな顔してるんだろう?
きゅ、と握られた手元の、彼の綺麗な指先を見つめた。
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ひな(プロフ) - ちゃみさん初めまして。一昨日ちゃみさんの作品に出逢い、面白くてハマって全作品一気読みしました!これからも楽しみにしてます。 (2018年9月23日 22時) (レス) id: 800dd62f43 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう(プロフ) - このお話にとても感情移入してしまい慧くんとの別れに涙が出て止まりませんでした。私が本当に主人公ちゃんになったかのように悲しくて、寂しくて、こんなにお話に感情を揺さぶられたのは初めてで自分でもびっくりしました。人を号泣させられる作者さん、尊敬してます! (2018年9月22日 23時) (レス) id: 548f1d5b70 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずごしょう(プロフ) - 移行おめでとうございます!慧くんとの別れが余りにも悲しくて、泣いてしまいました。また慧くんと会えるのか、楽しみです! (2018年9月15日 0時) (レス) id: 5f95aa5fdf (このIDを非表示/違反報告)
不眠症の羊(プロフ) - 移行おめでとうございます。ご無沙汰羊です。ああ、うちの玄関前にも伊野尾さん来てくれないかしら…。と妄想しつつ、続きを楽しみに待ってます。追伸、ボードの方に例のURL貼っときました。よろしければ使ってみてください。 (2018年8月25日 13時) (レス) id: 5d3f6da0fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年8月20日 15時