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慧「お…っとぉ、」
普通に歩けているつもりだったのに、なんでもない段差で躓いた。
咄嗟に彼の手が、私の手のひらを掴む。
A「…ごめん。」
慧「ふふ。ちょっと酔ってる?」
A「えぇ…?そんなに飲んでないけどなぁ…」
.
夜風に当たりながら歩く帰り道。
せっかくだからとひとつ手前の駅で降りて、手を繋いで歩く。
月明かりに照らされて伸びる2人分の影。私の方のは確かに、いつもよりずっとふわふわしたリズムで揺れている。
.
慧「めっちゃ美味かったね、あの店」
A「ね!どれもすごくこだわって作ってる感じっていうかさ、」
お料理もお酒も美味しくて、ついついもう一杯だけ…、と桃のカクテルもお代わりしてしまった。
ああいう飲み物は、見た目の可愛さに反して意外とアルコールの度数が高かったりする。
あまり強くないくせに少し調子に乗ったかなぁ。
なんとなくふわふわした感覚で歩く。
慧「キーマカレーもっかい食いたいなー」
A「店長さん特製のやつね、」
慧「そーそー、あの変な人形作った店長さんの」
A「ふふ、どんな店長さんなんだろうね」
お料理やお酒がおいしかっただけじゃなくて、あのお店の人たちがみんな、いきいきと働いているのも印象的だったな…、
.
A「また行きたいなぁ」
慧「行こうね」
A「うん」
おしゃべりしながらのんびりと歩いていたつもりだったのに、いつのまにか景色は見慣れた街に変わっていた。
あぁ、もうすぐ家に着いちゃう。
終わってしまうのがもったいないと思ってしまうくらい、全てが完璧な1日だった。
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ひな(プロフ) - ちゃみさん初めまして。一昨日ちゃみさんの作品に出逢い、面白くてハマって全作品一気読みしました!これからも楽しみにしてます。 (2018年9月23日 22時) (レス) id: 800dd62f43 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう(プロフ) - このお話にとても感情移入してしまい慧くんとの別れに涙が出て止まりませんでした。私が本当に主人公ちゃんになったかのように悲しくて、寂しくて、こんなにお話に感情を揺さぶられたのは初めてで自分でもびっくりしました。人を号泣させられる作者さん、尊敬してます! (2018年9月22日 23時) (レス) id: 548f1d5b70 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずごしょう(プロフ) - 移行おめでとうございます!慧くんとの別れが余りにも悲しくて、泣いてしまいました。また慧くんと会えるのか、楽しみです! (2018年9月15日 0時) (レス) id: 5f95aa5fdf (このIDを非表示/違反報告)
不眠症の羊(プロフ) - 移行おめでとうございます。ご無沙汰羊です。ああ、うちの玄関前にも伊野尾さん来てくれないかしら…。と妄想しつつ、続きを楽しみに待ってます。追伸、ボードの方に例のURL貼っときました。よろしければ使ってみてください。 (2018年8月25日 13時) (レス) id: 5d3f6da0fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年8月20日 15時