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Chapter 8 “ラスト・カウントダウン” ページ1

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A「…っ!」









水の中でもがき苦しみ、あと少しで力尽きてしまいそうなその瞬間に、目を覚ました。

いつものように、指先がかじかんでしまうほどに冷えている。








あれ、ここはどこだっけ。私は今何をしてる?

ぼんやりした頭で、意識が『今』に戻って来るまでしばらくかかった。







A「けほ…、」






息を吸おうとするも上手くいかずむせてしまった。勝手にじんわりと涙が滲む。指先で自分のいる場所を確かめる。さらさらとしたシーツの感触。



良かった。
もう水の中じゃない。



少しの息苦しさを抱えたまま、跳ね起きたベッドの上にもう一度寝転がる。




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…またあの夢を見た…。









最近、前よりも頻繁にこの夢を見るようになったような…



それも、感覚が日に日にリアルになってきて、
まるで本当にさっきまで溺れていたみたいに、すごく苦しい。








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なんとか息を整えた頃、カーテンの向こうの空は白み始めて、部屋の中がぼんやり見えてきた。









A「…!」








ふと、すぐ隣にうつ伏せて目を閉じている慧の姿が目に入ってきて、
薄ぼんやりとしていた意識が途端にはっきりと目を覚ました。







体の半分にブランケットを巻きつけて眠る彼。
何も身につけていない背中がすうすうと呼吸の音と共に上下する。









そうだ、昨日の夜、私、慧とここで…、









思い出した途端に感じる、腰のあたりのずんとした痛み。
身体中に甘い余韻が残っているようで、とろりとした気だるい感じを引きずっている。




昨日の私、どうした?ってくらいに、いろいろ分からなくなってしまうくらいに、乱れた。

冷静になって思い返すと今、急に恥ずかしい。どんな姿を見せてしまったんだろう。


思わず毛布を頭からすっぽり被って、そこから顔を半分だけ出して、そーっともう一度、慧の方を覗き込む。





相変わらず眠り続ける慧の、薄い体。









なんだか儚い…。









ふと、そんな言葉が過った。









その時、彼に会った時からずっと感じている気持ちはこれだったんだ、ってはっきり自覚した。









ここにいるのに、いないような不安と、
次の瞬間には消えてしまいそうな儚さ。









なぜか堪らなく寂しくなって、その背中に手を伸ばした。

*→



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設定タグ:Hey!Say!JUMP , 伊野尾慧   
作品ジャンル:恋愛
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ひな(プロフ) - ちゃみさん初めまして。一昨日ちゃみさんの作品に出逢い、面白くてハマって全作品一気読みしました!これからも楽しみにしてます。 (2018年9月23日 22時) (レス) id: 800dd62f43 (このIDを非表示/違反報告)
ぶどう(プロフ) - このお話にとても感情移入してしまい慧くんとの別れに涙が出て止まりませんでした。私が本当に主人公ちゃんになったかのように悲しくて、寂しくて、こんなにお話に感情を揺さぶられたのは初めてで自分でもびっくりしました。人を号泣させられる作者さん、尊敬してます! (2018年9月22日 23時) (レス) id: 548f1d5b70 (このIDを非表示/違反報告)
ゆずごしょう(プロフ) - 移行おめでとうございます!慧くんとの別れが余りにも悲しくて、泣いてしまいました。また慧くんと会えるのか、楽しみです! (2018年9月15日 0時) (レス) id: 5f95aa5fdf (このIDを非表示/違反報告)
不眠症の羊(プロフ) - 移行おめでとうございます。ご無沙汰羊です。ああ、うちの玄関前にも伊野尾さん来てくれないかしら…。と妄想しつつ、続きを楽しみに待ってます。追伸、ボードの方に例のURL貼っときました。よろしければ使ってみてください。 (2018年8月25日 13時) (レス) id: 5d3f6da0fa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年8月20日 15時

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