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和「大丈夫っしょ、」
A「どうしたの…」
和「んー…」
そのまま唇を首筋の辺りに這わせるから、思わずぴくんと、僅かに体が反応した。
和「向いて。…こっち。」
言いながら私の頰に手を当ててぐい、と引き寄せる。自分から動かすより前に唇が触れた。
ねぇ、本当に誰か来ちゃうよ?
なんて、頭の片隅でほんの少し抵抗を続けていた自分は、突然の甘いキスで完全に溶けて消えた。
.
いつのまにかくるりと向き合わされた腰元。
巻き付いた腕がぐい、と私を引き寄せる。
時折耳の後ろに差し込まれた指がさわさわと動いてくすぐったい。
A「ん…」
軽く触れたら終わるかと思ったのに、そのままキスはどんどん、全てを絡め取ってしまうかのように、深くなって、
酸素を求めて少し逃げようとしても、あっという間に塞がれてしまうからクラクラしてきた。思わず彼の胸元をトントン、と叩く。
A「ふぁ…、」
その時なんの前触れもなく、体の力がふにゃんと抜けた。
コピー用紙の棚を背に、気が付いたら床に座り込んでしまって。
投げ出したままの脚の間を割って、膝をついた和くんがくすくすと笑う。
A「むり…会社だよ…?」
うるうると涙目のままで彼を見上げた。
そんな私を見て彼は、ふ、とまた、小さく笑った。
和「分かってるよ」
だから何?と言わんばかりに、余裕たっぷりの顔で、その手がスカートの間から入って太ももを撫でた。
そのまま首筋の辺りを唇が這った瞬間、どうしたって声が漏れる。
A「ん…!」
そんな私を見下ろして、満足そうな顔で、
和「…かわいいねお前」
ぽつりと甘い言葉を囁く和くんは本当にずるい人だ。
和「今夜は?」
A「今夜…、」
彼が私を誘う時に使う言葉は、これだけ。
今まで断ったことは、一度もない。
だけど今日は、いつもとはほんの少し違っていた。
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雨(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます!できればパスワード教えてください! (2018年7月23日 13時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
涼宮 - とても面白いです!パスワードを教えてくれませんか? (2018年7月21日 21時) (レス) id: 69077a28f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 好きです!伊野尾さんののほほん感がよく描かれていて、リスペクト!尊敬してます。ちゃみさん、これからもゆっくりマイペースで大丈夫ですので、変わらず更新を続けて下さい!ずっと、応援します! (2018年7月18日 20時) (レス) id: 0cc6cf21ff (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - ちゃみさんの描く伊野尾くん大好きです、、!また更新たのしみにしてます!! (2018年7月18日 0時) (レス) id: 6d46aa0005 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - ちゃみさん!私、こう言う切ない系のお話大好きなので、楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい! (2018年7月5日 21時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年6月21日 20時