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「お待たせ、レジがすごい混んでて…あら?」
その時、和くんの背後から落ち着いたトーンの女の人の声がした。
彼女はすぐに、私達にも気が付いた様子で、『誰?』っていう視線を和くんに向ける。
和「あぁ、あのね、会社の後輩。」
A「あ…椎名です。二宮さんにはいつもお世話になってます…」
「こちらこそ、いつも主人がお世話になってます」
そこにいたのは、私なんかとは違う、とても落ち着いた『大人』の綺麗な女の人で。
彼女は余裕の笑みを浮かべて、私達にぺこりと会釈をした。
途端に、胸の奥がヒリヒリと焼けるように痛み出す。
「ふふ、寝ちゃったね」
和「疲れたんじゃね。そろそろ帰る?」
「そうだね」
ニコニコしながら覗き込む、2人の視線の先には、
おでこに薄く汗をかいて、すうすうと寝息を立てるかわいい男の子がいて。
和「じゃまた来週、会社でね」
A「はい、また」
溢れそうになる感情に必死で蓋をして、ビジネスライクな笑顔を作った。
.
慧「会社の先輩?なんかいいね、『理想の家族』って感じだね」
慧の無邪気な一言も、私の心をずきんと貫くのには十分で。
A「……。」
慧「A?」
A「…ごめん、やっぱり慧が選んで?」
慧「え?」
A「コレで必要なもの何でも買って?」
バッグから取り出した財布を、ぽん、と慧の手に託す。
A「ちょっと疲れたから…あっちで休んでるね」
口角を無理矢理上げて笑顔を作る。
まだ戸惑った表情の彼にくるりと背を向けて、お店を出た。
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雨(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます!できればパスワード教えてください! (2018年7月23日 13時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
涼宮 - とても面白いです!パスワードを教えてくれませんか? (2018年7月21日 21時) (レス) id: 69077a28f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 好きです!伊野尾さんののほほん感がよく描かれていて、リスペクト!尊敬してます。ちゃみさん、これからもゆっくりマイペースで大丈夫ですので、変わらず更新を続けて下さい!ずっと、応援します! (2018年7月18日 20時) (レス) id: 0cc6cf21ff (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - ちゃみさんの描く伊野尾くん大好きです、、!また更新たのしみにしてます!! (2018年7月18日 0時) (レス) id: 6d46aa0005 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - ちゃみさん!私、こう言う切ない系のお話大好きなので、楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい! (2018年7月5日 21時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年6月21日 20時