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慧「Aー、できたぁ?」
A「ん、ちょっと、…まだっ、」
慧「んー?ゆっくりでいいよー」
洗面所の鏡の前で、アイロンを持って、自分とにらめっこ。
部屋の方から慧ののんびりした声が聞こえてくる。
A「うーん、なんかイマイチ…」
いつも通りにやってるつもりなのに、なんだかキマらないのはどうして?
なんて、無意識につぶやいている自分に気付いて、はっとしてアイロンを置いた。
何やってるんだ私。デートでもないのに。
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A「お待たせ!行こ」
慧「んー…、んっ…!」
ソファの上でゴロゴロしていた彼は、私の姿を見るなり跳ね起きた。
慧「………。」
と思ったら、ぽかーんとゆるく半分口を開けたまんまで私を見つめる。
A「な、なに」
やっぱりイマイチ?
突然の沈黙にドギマギして、くるりと玄関の方向に向きを変えた。
慧「A…」
一歩、踏み出そうとしたら、後ろからついて来た慧の腕が、腰の辺りに巻き付いて、
慧「ヤバい、めっちゃかわいい…!」
A「な…!」
突然の甘い言葉に不意打ちをくらって、彼の腕を振りほどきそびれた。
慧「デートだから?」
彼は嬉しそうに私の首元に顔を埋めて、ふんわりしたワンピースの袖の辺りを掴む。
瞬間、うっかり胸の奥がとくん、と動いてしまって。
A「えい、」
慧「うっ」
私の肘打ちが、彼のみぞおち辺りにクリーンヒットした。
A「行くよ」
慧「〜!」
なにも言えず悶絶している彼を置いて、さっさとサンダルを引っ掛けて玄関を開けた。
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慧「まーじガード固いな〜、」
A「なんか言った?」
慧「何も?ね、手繋ぐ?」
A「繋がない!」
慧「なんでぇ、」
逆になんで!
ちらりと隣に目をやる。
さっきからことごとくあしらわれているにも関わらず、なんだか楽しそうにぽやぽやと歩く、線の細い体。
慧「今日はどこ行くの?」
A「ちょっと遠いけど、大っきいモールまで行こうかなって」
慧「いいね!遠出好き!」
そう言って、子どもみたいに無邪気にへら、と笑うから、つられてほんの少し頰が緩んだ。
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雨(プロフ) - 頑張ってください!更新楽しみにしてます!できればパスワード教えてください! (2018年7月23日 13時) (レス) id: cd068f5c5f (このIDを非表示/違反報告)
涼宮 - とても面白いです!パスワードを教えてくれませんか? (2018年7月21日 21時) (レス) id: 69077a28f6 (このIDを非表示/違反報告)
かほ(プロフ) - 好きです!伊野尾さんののほほん感がよく描かれていて、リスペクト!尊敬してます。ちゃみさん、これからもゆっくりマイペースで大丈夫ですので、変わらず更新を続けて下さい!ずっと、応援します! (2018年7月18日 20時) (レス) id: 0cc6cf21ff (このIDを非表示/違反報告)
かんな(プロフ) - ちゃみさんの描く伊野尾くん大好きです、、!また更新たのしみにしてます!! (2018年7月18日 0時) (レス) id: 6d46aa0005 (このIDを非表示/違反報告)
希都 - ちゃみさん!私、こう言う切ない系のお話大好きなので、楽しく読ませて頂いてます!更新頑張って下さい! (2018年7月5日 21時) (レス) id: 6465792da0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちゃみ | 作成日時:2018年6月21日 20時