意地悪なアイツは年の離れた幼なじみseason2

日本に行くまでのカウントダウン１ ページ28

｢先輩。今日は静かですね。｣
A｢……そだね。｣



｢有効に使えないなら会わないから！｣と言ってアイツの部屋を出てってから何の連絡なし。



考えてんのか。
それとも諦めて



A｢……別れるのかな。(デスクに突っ伏す)｣



だって多いんだ。
兵役が決まった途端に別れちゃうカップル、、、、
２年も離れるんだもんなぁ、、、、
アイツの前では一応ヌナだし平気なフリしてたけど



A｢私だって辛いんだぞ？まさか今頃海外勤務決定するなんて思ってもいなかったし日本語だってろくに喋れないし……ハッ？！｣



困るじゃんっ！
日本語話せなかったら仕事になんないじゃんっ！



A｢英語は出来るけど日本語もどうにかしなきゃっ！誰かに教えて貰わないとっ！｣



と、浮かぶはアイツの顔。



確かに日本語喋れるけど、日本行き快く思ってないしなぁ……教えてくれるかどうか。



A｢……連絡する？いやいや甘えるな私！独学！独学よ！｣



そうだよっ！
昨日あんだけ啖呵切って｢会わない！｣って言ったんだから！
頼らない！
連絡しない！
仏心出さない！



｢……先輩。何叫んでんですか？キモ……｣
A｢……仕事しよっと。｣
人事｢シムさーん！｣
A｢はい！(←実は同じシム姓)｣
人事｢これ。海外勤務に必要な手続きの書類です。読んでサインして下さるだけでOKなのでよろしくお願いします。｣
A｢了解です。ありがとうございます。書類か。思ったより少ないけど、こんな簡単に済んじゃうんだ……。｣



改めてここを離れるんだと実感する。



書類はパパッと済んで、通常業務、引継ぎとあっという間に時間が経って、そろそろ仕事も終わるぞって頃、やっとiPhoneが鳴った。



A｢アイツだ！｣



アイツからたった一言のメッセ。



｢迎えに行きます。｣



こんな短いメッセでも嬉しく感じる。



A｢ハァ……｣



チャンミン……心の中で名前を呼んでみて、ふと現実を思い出す。



A｢迎えにってどうやってここまで来るつもり？｣



外出たらすぐ気づかれるくらいのオーラ放ってるくせにどうやってここに来るの？



A｢ったく！喜んで損したわよっ！考えた挙句の末がこれ？会えるわけじゃん！外でなんてさっ！ん？何？あの人集り……｣



また玄関先が騒がしい。
まるでドンへがここにやって来た時みたいな……



A｢まさか……？！｣



あそこで待ってるわけ？！

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