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015:2010年4月21日 水曜日 CM ページ16

ユノヒョンが部屋から姿を見せない事が日常になっている。

朝のロードワークも

昼間のジムも

全部 ユノヒョンの毎日から排除されたようだった。

荒んだ生活

だからと言って 例えば派手に女遊びするほど

ヒョンは器用じゃない。





「チャンミン…俺…いっそユノなんて辞めてしまおうか。…うん、そうしよう」
「あはははははは…ちょっと笑わせないでくださいよ」
「別にそいうつもりじゃ」
「分ってます」
「…これ何だと思う?」





少しだけ太ってしまった自分のお腹を

身体ほど大きくない両手でつまみながら

ユノヒョンは口をとがらせている。







「ヒョン、僕たち、少しだけ自由になりませんか?」
「え?」
「もう、いいじゃないですか。どうせこれから嫌と言うほど大変なんですよ」
「そうだね…」
「ただでさえメンタル崩壊しそうじゃないですか、僕たち」
「チャンミンが?メンタル崩壊?」
「とにかく。イメージしてみてください」
「…はい」
「僕らはいずれ2人でカムバックするでしょう」
「はい…」
「そのためには大きな課題がありますよ。僕はダンス、ヒョンは歌」
「…歌?」
「それはそれは…地獄絵図でしょうね」
「じごく…えず……」
「毎日汗まみれになって狂ったように踊り続けるなんてサイテーだ!!そんなのミンスタイルじゃない!!」
「チャ…」
「とにかく…迫りくる地獄に足を踏み入れる前に僕は旅に出ますから」
「ン…」
「ヒョンも引きこもってばかりいないで出かけたらいいじゃないですか」
「……ミン」
「地下鉄乗ってみるとか」
「・・・」
「山歩きしてみるとか」
「・・・」
「一瞬のアバンチュールに胸を焦がしてみるとか」
「え」
「僕たち、思い切って姿を消しましょう」






『チャンミン、ごめん。俺はジュンスもユチョンも…一人にできない。分かってくれるよな』





いつかジェジュンヒョンが僕にそう言った。

もしかしたら、ヒョンもこういう気持ちだったのかもしれない。

その日 久しぶりにユノヒョンと夜ご飯を食べた。

僕が作った 形の悪いオムライスを

こんな美味しいオムライスは初めて食べたよって

嬉しそうに頬張るユノヒョンを見て

僕は決めたんだ。

決してユノヒョンを一人にしないって。





そして

その夜 久しぶりに

Aに電話を架けた。

僕より7つも年上で

頭が良くて センスも良くて

何より 僕という子供を

大きな海のように愛してくれる

大切な恋人に

サヨナラするために。

016:2010年4月22日 木曜日 CM→←014:愚かさ CM



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作成日時:2017年3月5日 12時

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