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お風呂から上がって、髪の毛を乾かしてから寝室へと向かう。
明日の持ち物がなんだったか思い出しながら廊下を歩いていたら、壁に激突したのは内緒の話。
「あれ?A、何かおでこ腫れてない?」
一瞬にして内緒は内緒ではなくなってしまった。
さとみさんはどんな視力をしているのか。某民族でもきっとこの違いに気が付く訳がない。
「…考えごとをしていたら、壁にぶつかってしまいました…恥ずかしいです」
「早く言ってよ!もー、Aはおっちょこちょいなんだからー」
「…桃ヶ崎に、おっちょこちょいの遺伝子を残すわけには…!」
「いやそこまで深刻な話ではないからね?」
保冷剤をぴとっとおでこに当てられてびっくりする。こんなに冷たかったっけ。
「痛い?ごめん、冷たかったよね」
「さとみさん、たんこぶにもなっていないですし…そんなに深刻な話ではないですよ、?」
さっき言われた言葉を復唱すると、さとみさんは床にごろんと寝転がった。
下から上目遣いで見上げられてどきどきする。
「俺ら心配性ってことだね。また共通点見つけちゃった」
「さとみさん、床掃除されてるとは思いますが…」
「あ、ひなちゃんいた!ひなちゃ〜ん」
何故か会話をスルーされてひなちゃんに逃げられた。
当のひなちゃんもさとみさんから逃げていたけれども…。
「やっぱり俺にはAしかいないよ〜」
「っちょ、さとみさん、!」
脚を掴まれて抱き付かれる。これはどういう状況なんだ。
「ねぇ〜A…かまって?」
「…あーおでこが痛い、」
「やっぱり冷やさないと!ほらこっちおいで?」
下手くそな演技のつもりだったのだが、さとみさんは凄く慌てた様子で床から起き上がった。
「…冗談ですよ」
「いーや、冗談じゃない!いいからこっち、」
腕を引かれてベッドに寝転がされる。
膝枕状態で前髪を上げておでこを触られるものだから、顔も近くて全身の水分が蒸発しそうだった。
「可愛いAのおでこにたんこぶなんてやだもん」
「さとみさ…あの、近い…です、」
「…それか、今度からAがぶつかって行かないように俺が監視するから一緒にお風呂行く?」
「遠慮します!!!」
そんなの、一緒にお風呂に入ると言われているようなものではないか。
私には刺激が強すぎる。
「…さとみさん、私、赤ちゃんの作り方が分かったかも知れません」
「なに、」
「お風呂に一緒に入るのではないですか?」
「違う」
違った。
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ネコ日和。 - 純粋少女の罪は深いぞ😂 (2022年8月19日 12時) (レス) @page13 id: 18b130b5d8 (このIDを非表示/違反報告)
春桜(プロフ) - にぁさん» 悲しいとき〜悲しいとき〜間違えて違うページストックを出してしまうとき〜 (2020年11月7日 15時) (レス) id: 5c94dbd8ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にぁ | 作成日時:2020年11月7日 14時