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「そ、そんなお手を煩わせる訳には…」
『いや〜でもここまでして明日から何かあったら、夢見悪いじゃないすかあ』
「だ、大丈夫ですよ、私の勘違いかもですし」
『俺の顔みて逃げた時点で勘違いではないしょ』
「…でも」
『俺の迎えは嫌ですか?』
「嫌なわけないです!」
『なら決定ですねえ。ゆーて俺ん家からも近いし』
「あ、そーなんですか?」
『うん。車で5分くらい』
「近…笑 あ、だからあのコンビニ来てたんですね」
『そゆこと!だから気にするこたあないですよ』
「ではお言葉に甘えさせていただきます…」
『はあい。あ、じゃあ連絡先教えて』
「はいっ」
そんなこんなで連絡先まで交換し、まさかの明日から車であらきさんに迎えに来てもらえることになってしまった。
ただの1スタッフがそんな事してもらえていいわけないのに…。
でもほんとうにあらきさんって優しいんだなあ。
誰にでもこうやって助けてるんだろうか。
ズキッ
うん…?なんかモヤモヤ?
とりあえず明日からは今まの手抜きな服装ではなくてせめてもう少しちゃんとした格好で出勤しよ…。
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「お疲れ様でした〜」
今日も結局ほぼ終電で仕事が終わる。
こんな遅い時間に申し訳ないな…と思いつつ連絡すると約束したので…
Aお疲れ様です。和泉です。
今仕事が終わりました!
ビルの入り口まで移動すると
あらきさんおつです〜
会社の駐車場いるから下まで降りてきて欲しいっす
わ、もう待っててくれたんだ。
小走りで下まで向かうと
『お、きたきた。おつです〜』
駐車場の入り口で待っててくれた姿が様になっていて、流石芸能人だなあと思ったり。
「お疲れ様です!すみません遅くなってしまって、待たせちゃいましたよね💦」
『いえいえ〜、じゃあ乗ってください』
後ろに乗ろうとすると
『え、そっち?』
「いや私なんかがあらきさんの隣に座る訳には…」
『なーにをそんなとこで変な気使ってんの。隣乗ってくださいよ』
「じゃ、じゃあ失礼します」
『はい〜、じゃあ行きますよ』
あらきさんの運転は超静かで安定してて、運転慣れてるんだなあ、これモテる運転だなあ、だなんて思った。
腕まくりしてハンドルを握る腕が逞しくて、軽やかに運転してる姿も様になってて、赤信号の時にん?とこちらを確認して笑いかけてくれる姿にドキドキしてしまって、
カッコイイな、って素直に思った。
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作者名:sana | 作成日時:2023年10月31日 22時