あたためますか？ 【YG】

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「今日は？メシ食った？」


「………いえ、まだ…。」


「いやぁ、それは大変だ。甘いもんの前にはちゃんとメシ食わねぇとなぁ。」


わざとらしく言えば、俺の意図に気付いたのか驚いた顔で一生懸命首を横に振っている。


「それじゃ意味が…、」


「ん？お菓子、一緒に食ってくれんじゃねぇの？」


「お、おにいさんが一人で食べてくださいよ……、」


「俺はあんたと食いてぇの。なに？ダメなの？」


「だ、ダメとかじゃ……、」


困ったように目を泳がせて、でも、とか、うー、とか唸っている姿に勝手に口の端が上がる。



「ん、決まりな。そんじゃ、好きなの持ってきて。あー、バランス悪くなるからサラダもな。」


「…………、」


「ほら、早く。…連れてってやろうか？それとも俺が選ぶ？」


促す俺に観念したのか、しぶしぶ弁当売り場の前に立ち前と同じように一通り見回してピタリと動きが止まる。


「あ、今日はちいせぇの残ってねぇから。他のにして。」


遠慮してまたあの小さい弁当選ぶ気だったんだろうけど、お生憎様。


「こら、サラダも持ってこいって言ったろ？」


唐揚げ弁当を手にとって振り返ったところでそう言うと、むぅ、と口を尖らせて隣の棚からひとつサラダを取り、カウンターに持ってきた。



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