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〜平野side〜

薬研に先に行っているように言われ、僕、前田、五虎退、今剣は一足先に戦場に着いていた


五虎退は少し嬉しそうに、今剣は特に何も考えていないように辺りを警戒している中、僕と前田は建物の影で心を落ち着かせていた


つい先ほど主から聞いた出陣編成


九条様本人の要望により夜戦へ行くことになり、そのお供に僕たちも選ばれた


………先日あんなことがあったのに、だ


九条様が手入れ部屋から出て行った後、いち兄から何があったのかを聞いた


聞けば聞くほど九条様の非はない


謂われのない暴言にあの方はさぞ腹を立てたことだろう


前田「平野………」


横に立っていた前田が不安そうに僕の服の袖を握る


それに「大丈夫ですよ、きっと」と薄く笑って返してやった


勿論、自分でも何が大丈夫なのかなどわかりもしないのだが


その後暫くして、遅れていた薬研と九条様が到着した


物珍しそうに辺りを見回す九条様に、思わず息を呑む


整った顔に薄い月明かりだけが差し込み、うっすらと金の装飾具がその光を反射する


顔の輪郭すらぼやけて見えるのに、紅の瞳だけは妖しく光を放ちその存在を誇張している


暫く呼吸するのも忘れ彼の美しさに見入っていた


そんな僕たちの様子を知ってか知らずか、薬研がこの部隊のメンバーの紹介を始めた


『前田』『平野』


九条様は僕たちの名が呼ばれた瞬間少しだけ反応した


五虎退に向けていた優しげに見える眼差しが一瞬にして凍てつき、暫く宙をさまよい、そして僕たちに向けられる


……彼は今、僕たちを確かにとらえている


暗い街中のその更に暗い建物の影


太刀であれば視認などできないはずなのに


九条様は間違いなく僕たちと目を合わせてきている


暫く目をそらせずにいると九条様は小首をかしげ目を細めた


見下すように、蔑むように、無感情な瞳で、冷徹な瞳で


前田「あ、九条、様……!先日は申し訳ありませんでした……っ!!」


平野「僕たちの早とちりで……大変ご迷惑を……っ」


無言の圧力に心臓を鷲掴まれるような感覚に陥りつつも、なんとか声を絞り出す


薬研「なんだ、お前らも話したことあったのか」


A「………知らんな。何のことやら」


「「……え??」」


A「お前たちの名に心当たりはない」


てっきり怒られると思っていた僕たちは目を見開く


許して、くれるのか


この方はあんな態度をとった昨日の僕たちを忘れ、もう一度最初からやり直してくれるというのか

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凛音 - 本当に面白いです!続きがめっちゃ気になります!頑張ってください! (9月26日 19時) (レス) @page40 id: 0943923905 (このIDを非表示/違反報告)
りす(プロフ) - 中二病の主人公!新しくて大好きです!続きとても楽しみに待っております! (7月18日 19時) (レス) @page40 id: 6cf6d64f42 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーぬぬーぬぬー - 続きをお恵みください… (2022年11月23日 0時) (レス) @page40 id: 8435a17515 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きが速く見たいです (2022年9月24日 19時) (レス) @page40 id: 730adcd2c0 (このIDを非表示/違反報告)
YM - このお話大好きです!作者様の負担にならない程度に更新してくださると嬉しいです (2021年12月27日 15時) (レス) id: 0c982d92bb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りんご | 作成日時:2018年5月13日 18時

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