検索窓
今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:59,690 hit

第五十五話〜主人公side〜 ページ12

Aside


目の前にいるのが鬼舞辻無惨ではなく、宇髄さんだったことに安心したからか、涙が溢れて止まらなかった。



『す、すみません…… 安心したら…』




涙を見られたくなくて、裾でゴシゴシと擦った。


すると宇髄さんに手を掴まれた。



宇「擦るな。余計に赤くなっちまう。」


そう言って、宇髄さんは私の手を掴んでいる方と反対の手で私の涙を拭ってくれた。





宇「派手に魘されてたな。何の夢を見た?」


『っ…』



宇髄さんに聞かれて、あの恐ろしい夢を思い出す。

夢か現実か…わからなくなるほど鮮明な夢だった。

あれはもしかしたら…これから私に起こる出来事なのかもしれない。




『鬼舞辻無惨が……』



私は宇髄さんに夢であったことを全て話した。






『現実か夢がわからなくなるほど、鮮明な夢でした。
この夢はもしかしたら、これから現実に起こる事なのかもしれません…』




昔、お婆さまに聞いたことがあった。

力の強い巫女はこれから起こる事を予知夢で見ることがあると…

もし、あの夢の通りになったとしたら、私は鬼舞辻に…




身体の震えが止まらない。

なんて弱いのだろう…



強くなると決めたはずなのに、

鬼舞辻を滅すると決めて修行を積んできたはずなのに…


鬼舞辻から逃ることを考えてる。






そんな私の手を宇髄さんが更に強い力で握って私を強い眼差しで見つめる。


宇「地味にビビってんじゃねぇよ。まだその夢の通りになると決まったわけじゃねぇよ。
逃げるんじゃねぇ。
お前が本当に強くなりたいと思ってんなら、夢の通りにならないように死物狂いで抗え。
まだ起こってもねぇ未来に怯えてる暇はねぇよ。」




"まだ、起こってない未来"


そうだ。まだ夢で見たことが本当に起こると決まったわけではない。


宇髄さんの言う通り、そうならないように抗うことはできる。




宇「それに、お前は1人じゃねぇだろ。俺たちがお前を1人で無惨と戦わせねぇよ。」



そう言った宇髄さんの瞳があまりに優しくて、止まりかけていた涙がまた流れた。

震えはもう止まっている。



『っ!あ、ありがとうございます…』



そい言うと宇髄さんは私を優しく抱き寄せ、子供をあやすように背中をポンポンと叩いてくれた。



宇「ったく。地味に目が離せねぇ奴だな。」





宇髄さんは私が落ち着くまで、そのままでいてくれた。



宇髄さんの腕の中は暖かくて、すごく安心して、私はまた眠りに落ちてしまったのだった。

第五十六話→←第五十四話〜宇髄side〜



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (13 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
59人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 竈門炭治郎
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

琴音 - めちゃくちゃ、キュンキュンしました!ありがとうございました🙇(とくに宇随さんのところ) (2022年3月24日 17時) (レス) id: 65eb06c570 (このIDを非表示/違反報告)
月城(プロフ) - 雪さん» 雪様、コメントありがとうございます。試行錯誤しながら書いていて、うまく書けているか不安でいっぱいでしたので、そう言って貰えてとても嬉しいです!ありがとうございます!これからも更新頑張りますので、よろしくお願いします(o^∇^o) (2020年6月14日 22時) (レス) id: 9dff787f75 (このIDを非表示/違反報告)
- 続編おめでとうございます! とても良い作品を書いていて羨ましいです! これからも更新頑張ってください! 応援しています! (*^▽^*) (2020年6月14日 22時) (レス) id: fbeba8bbe8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:月城 | 作成日時:2020年6月9日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。