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T side









「出来たかも……」









結婚式のあの日から1ヶ月。
杏奈はお腹をさすりながらこっちを見た。









「……ん?」









「赤ちゃん……出来た。
昨日実は病院行ったんだ、生理遅れてて
妊娠4週目」









まじ?









「おめでとう」









4週目って事はあの辺か……









二次会三次会で俺らは退散して
心做しかやっぱりむしゃくしゃして









「……愛してる」









みづきの事。









「ん……裕太……」









違うみづきじゃない。









「好き……好き……」









みづき。









「私も」









あいつと重ねて杏奈を抱いたあの日。
きっとあれが当たったんだ。









「そか……楽しみだね」









俺ちゃんと笑えてる?









「うん!女の子かな〜男の子かな〜」









「どっちだろうね〜」









安堵の表情を浮かべる彼女。
俺らも家族になるんだ。









「じゃ俺行ってくるわ」









仕事もはじまり、また何も変わらない
日常が始まった。









朝の一杯のコーヒーを
汲みに行く事もいつもと何も変わらない
ひとつ今日から変わったことがある









「おはよう」









「おはようございます。」









どうゆう風の吹き回しか
みづきが北山常務の秘書になったこと。









ガヤが言うには









1歳になったタイミングで惟斗くんを
保育園に預け、
時期社長になる北山さんのサポート役。
北山さんがいない時の為に
(会社)の中の事をわかっておく必要がある
って社長命令らしい。









彼女の仕事はほとんど
全ての部への伝言ぐらいで
社内ではあまり顔を合わせることがない。









「裕太!これ、北山常務からの伝言です」









給湯室から出ようとした俺を
呼び止める声。









「会社ではその名前だめ。ありがとう」









「あ、ごめん。癖抜けないなあ〜」









なんて頭かいてる彼女。
本当に何も変わんない仕草。









「もう名前呼ばないようにしないと
裕太目の前にしたらついつい……
ってまた裕太って。もう……」









何ひとりで喋ってんの?









「ふふ、まあなんでもいいよ」









って笑い合う
ってまたキュンってしてる

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作者名:みつこ | 作成日時:2018年5月19日 0時

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