39.打ち上げ花火の行方 ページ5
花火が上がる。
真っ暗な大空に、色とりどりの光が姿形を変えながら散っていく様子は美しく、そしてどこか儚い。
どん、という大きく重い音を立てながら消えていくのを見つめながら、Aはなんともいえない哀愁を感じ取った。
日本人の感性が繊細な理由が、そこにある気がする。
「どうだった？初花火」
ベランダで、1人夜風に当たるAに白岩が自分も外へと出ながら問う。
室内には0時を超える時計と、ソファやベッドですやすやと寝息を立てる本田や佐野、上原、三井、浦野の姿がある。
花火も終わり、お酒も嗜み、眠気が襲う丁度良い時間帯だ。
しかしAは花火の余韻が抜けきらず、眠らずに真っ暗で静かな夜空を見ていた。
「綺麗だった。すごく」
「ふふ、そっか。よかった」
白岩は隣に立ち、Aと同じように手すりに体重をかけた。
彼が夜遅くまで眠らないのはいつもの事だ。
Aの姿を見ながら、白岩は微笑む。
楽しんでくれたようで嬉しかった。
しかしその笑顔の意味はそれだけではない。
淡いパープルに、小さな花が散らされた浴衣を着たAが綺麗で、可愛くて、どうしようもなかったのだ。
自分が選んだ浴衣を着る彼女がまるで、恋人のように思えた。
「本当にありがとう、瑠姫。花火は綺麗だったし、お祭りは楽しかった！」
「いやいや、俺も楽しかった。ホテルにまでお邪魔しちゃったのは申し訳ないけど」
「気にしないで、ここが1番の特等席だったんだから」
番組真っ只中で人混みには行けない。
それでも花火は見たい。
そういう事で、ゆっくりと花火を見れる場所を探していたのだが、その場所はAが滞在するホテルだという事がわかったのだ。
階数も高く、よく見えたしなによりも人目を気にせず皆んなで楽しめた。
「浴衣、綺麗じゃん」
「それ浴衣を褒めてるの？」
「ふふ、さぁー、どうだろう？」
「もう、意地悪。素直に可愛いねって言えないの？」
む、と口を尖らせる。
この表情はAがよくする拗ねた顔だ。
彼女は不快感を表しているようだが、可愛くてさらにいじめたくなる。
お酒にもちょっと酔っているし、暗いし、皆んな寝ているし。
少しいじめてやろうか。
白岩は、ぐっと彼女との距離を縮める。
Aが微かに目を開く。
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uka - いやああめっちゃ面白くて、一気読みしちゃいました笑 ソルくん推しなのでソルくんとの絡み見たいです！ (2020年4月30日 23時) (
レス) id: 701fc5b087 (このIDを非表示/違反報告)
くま(プロフ) - 安藤くん出てくるたびに私も心臓がドキドキします(´；ω；`)笑 星ボタン何回も押せたらいいのに、、、、本当に最高です！！ (2020年4月18日 19時) (レス) id: 80c7c0ae45 (このIDを非表示/違反報告)
chia(プロフ) - rikoさん» わー！私もよなとも推しですー！同じ推しの方から感想もらえて嬉しすぎます(TT)設定モリモリの御都合主義なお話ですが楽しんで貰えてほっとしております…！これからも更新頑張りますね！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 4602b620e0 (このIDを非表示/違反報告)
chia(プロフ) - るうさん» ありがとうございます…！他の作品と比べて糖度は低いかと思いますが、それでも読んで頂けて嬉しいです、これからもよろしくお願いします！ (2020年4月16日 13時) (レス) id: 4602b620e0 (このIDを非表示/違反報告)
chia(プロフ) - くまさん» 惚れて頂けて嬉しいです……！なんだか自分でも知らないうちに安藤くんよりのお話になってきてしまっているので、これからも彼のことを素敵に書けるように頑張ります！ (2020年4月16日 12時) (レス) id: 4602b620e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：chia | 作成日時：2020年1月21日 22時
