怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ38)

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Ⅳ-88個目　条件のクリア方法ページ38

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『こればっかりは俺も黙らねぇぞ。どういうことだ神』

俺を支えてくれているルディも殺気立った雰囲気を纏っている。

『そもそも合格の条件はクリアしているはずだ』

『アインスに付け足す。それは俺も確認しているぞ』

アインスとレアルカが神に言う。

条件って…何だ？

疑問に思っていると、シュヴァルツが直接俺の脳内に話し掛けてきた。

『条件っていうのは、Aが人を殺さないこと。
大丈夫。俺達…神以外の俺達四人はそれを確認しているから』

優しげな声音に少しだけ気持ちが楽になった。

おかげで物事を深く考えることができる。

確かに、俺は今まで人を殺したことは無い。

“人を”…。

心当たりが無いと言えば、嘘になる。

まさか、な…。

『一番近くで見てきた私が言うんだ。神、Aの不合格を取り消してくれ』

『…ならん』

『なら、言い方を変えよう。今すぐAの不合格を取り消せ』

アインス達と神の殺気に耐えられず…俺はその間に飛び込んだ。

『『『『A!？』』』』

「つぅッ…」

流石は、神と悪魔、天使の殺気だ。

爪が割れた。

ドクドクと流れる血をそっちのけにして神を見た。
　
神は何も言わない。

「俺が、不合格なのは…ゾンビを殺したから…だろ？」

『『『『えっ…？』』』』

『……』

俺は、続ける。

「たとえ死んでいても、その死体を俺は荒らした。
それが…多分アウト。条件をクリアしていない。
……そうだろ？」

『A…』

名前を呼んでくれたアインスに、ニッコリと微笑む。

「不合格なのは…凄い残念だけど…
グルッペンに“会いに行く”って言ったのに、それを果たせないけど…

でも、さ。

あの時、もしゾンビを殺してなかったら間違いなくあの計画は成功しなかった。

もしかしたら…皆、死んでいたかもしれない。

だから…あの行動で皆を守れたって思えば、それはそれでいいかなって」

声は、震えていなかっただろうか。

目は、涙で潤んでいなかっただろうか。

『…A』

神に呼ばれたので振り返る。

「何だ？俺は潔くあの世で皆を待ちたいのだが」

そう言うと、神はため息を吐いた。

『いつ我がお前を生まれ変わらせないと言った。そう思い詰めるな』

「へっ…？」

神の言っていることが上手く理解できない俺は思わずヘンな声を出してしまった。