7話 ページ8
三日後。
「あ、まふまふさん？」
月に一度ある報告会のために、
王都の軍部に訪れていたまふまふに、
背後からそんな声がかかった。
「？……っ？！」
誰だろう、
ときょとんと振り返るまふまふが見たのは、
顔も髪も軍服も血に染って真っ赤なシロの姿。
「んなっ…え？は？
な、なんで…その格好……」
普段の毛嫌いしている態度も忘れ、
猟奇的すぎるシロに言葉にならない声を上げた。
「あー、野営だったんで
風呂なんかなかったんですよ。
とりあえず報告行くか、と思いまして。」
「せめて着替えなよ！」
あまりのセリフに思わずツッコミを入れてしまう。
はっ、としてまふまふは口を噤むと、
「…その格好で帰ってこないでくださいよ。」
とだけ残して、
司令官室に入っていった。
「…やっぱこの格好は、やばい？」
______________________________________
「失礼します」
まふまふと、
その次のアポイントメントが終わり。
ようやっと彼女は執務室に入ることが出来た。
「…シロ……その格好で
歩き回るのはやめろって前に言ったよね？」
「私の部屋勝手に引き払ってるんだから、
風呂になんか入れるわけないじゃないですかぁ」
私だって一応
シャワー浴びようかなって思いましたよ！
と反論するシロ。
「なんで君は毎回
そんなに真っ赤にならないとダメなの！」
「だって攻撃系の能力じゃないんですもんって
このやり取りもう飽きましたから！！」
ぱぁん！
と彼女は両の手を打ち鳴らして。
「…任務の件ですが、
とりあえず諜報部隊3つは殲滅完了。
あとは飛脚を5人。
多分全員殺したと思います。」
「……ご苦労さま」
き、と彼女の目が本気になり、
司令官もそれに答えるように腕を組む。
「均衡が崩れるのも時間の問題ですよ。
……こっちの件も」
「分かっているとも。
……対応しているはずでは？」
「いくら騙し騙しでも、
こっちにだって限界ってものはあります。
それに、
だんだん慣れていくものらしいですから。」
「……まぁ、
まだまだやってもらわなくては困る。
…君にしかできないことなんだ。」
「……分かってますって」
張り詰めた静寂の中、
彼らの会話がたんたんと続いた。
「……ま、今回はこの辺で。
また任務あったら安曇さんにお願いします。」
「了解、おつかれさま」
「失礼しました。」
ぱたん、と扉が閉まる。
「……考えることが沢山あるな…」
やけにその声が部屋に大きく響いた。
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煮凝り - れもんさん» あ゛っ…！読み返してまで…ありがとうございます更新頑張りますね！！ (2020年9月11日 22時) (
レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 煮凝りさん» 全然いいなのです〜！！今日また見返してほっこりしてますw！！ (2020年9月11日 19時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - れもんさん» 返信遅くなってすみません…！ほっこりしていただけたなら嬉しい限りです！！ (2020年9月10日 17時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - やああああ、いい仲間〜！！心温まる〜！！！ (2020年9月4日 20時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - ささささん» わぁぁ嬉しいです……！！頑張りますね！！ (2020年9月3日 19時) (レス) id: d8b345149a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：目に煮凝りができた | 作成日時：2019年12月23日 14時
