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45話 ページ46

「どーもすみません、お騒がせしました……」

「どうでもええけど
年頃の女が両鼻にティッシュ詰めて
人前に出てきてええんか」

「………………きゃっ」

「全然可愛くないから安心し」

ふざけて両手で顔を覆ったシロに
志麻が半眼で返す。

ひどーい、とシロは適当に答えて
ずらりと円卓に並ぶ面々を見つめた。

「えっと……一昨日?ぶり?クライデスネ」

「シロ久しぶり〜」

「坂田お前ちょっと黙れ」

ふにゃーんと返事する坂田を
うらたが押さえ込んだ。

「あのさ、俺ら何も知らねぇんだけど
全部解決したってことでいいの?」

うらたの質問にシロは視線を天月に向ける。
如実に私に聞かれましても……
という顔のシロに天月は苦笑いして口を開いた。

「…今回のは俺の問題に、
みんなを巻き込んじゃってごめんなさい!
でも、おかけでちゃんと踏み出せそう…
な感じです」

上手く言えないけど、
とはにかむ天月に、
他の人々は はぁーと大きくため息をついた。

「あまちゃんがいいなら良いんだけどさ…
突然何かと思ったよ」

「危うく殺すところだった」

「シロが手荒なのも悪いけどな」

上からまふまふ、そらる、志麻。
志麻の発言にはシロは苦い顔で頭を下げた。

「その件に関しましては…
突っ走ってすみません。
もう皆さん察しがついてると思いますけど、
れいさん…あの鼻水野郎は私元上司…
じゃないけどそんな感じの人でして」

「鼻水野郎…」

ぼそりと声が重なる。
天月に至っては抱腹絶倒だ。

「差し出がましい真似をすみませんでした」

それからこんな面倒事にして。
とつけ加えてシロは頭を下げた。
後悔はない。
センラに言われたからでもない。
しかし、
少し なるようになる思考だったというか…
作戦参謀の才能はからきしらしかった。

「おい」

コツンと志麻は肘でセンラをつついた。
うらたも視線を投げている。
センラは渋い顔をしていたが静かに一言。

「俺も言いすぎた…」

「いえ、あの、その」

会話のキャッチボールを受け取ると同時に
ばっと周りの視線が向けられてシロはたじろぐ。
これ以上何を?!と
戦慄く唇で何か言おうかとした所に。

「それにしても俺めっちゃ愛されてるよね」

天月は満面の笑みでそう言った。

「先生にも言ったけどさ。
シロちゃんは俺を救おうとしてくれて、
センラくんも俺のこと考えてくれたんでしょ?」

「最高の仲間だよね」

お前恥ずかしいやつだな……
そらるは静かにそう呟いた。
同じくらい満面の笑みで。

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煮凝り - れもんさん» あ゛っ…!読み返してまで…ありがとうございます更新頑張りますね!! (2020年9月11日 22時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 煮凝りさん» 全然いいなのです〜!!今日また見返してほっこりしてますw!! (2020年9月11日 19時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - れもんさん» 返信遅くなってすみません…!ほっこりしていただけたなら嬉しい限りです!! (2020年9月10日 17時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - やああああ、いい仲間〜!!心温まる〜!!! (2020年9月4日 20時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - ささささん» わぁぁ嬉しいです……!!頑張りますね!! (2020年9月3日 19時) (レス) id: d8b345149a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:目に煮凝りができた | 作成日時:2019年12月23日 14時

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