検索窓
今日:20 hit、昨日:2 hit、合計:76,997 hit

40話 ページ41

話し合いの翌翌日。
シロは安曇に頼んで
監視カメラを基地に飛ばして貰った。
大分良くなったと見える天月は、
見た目は普段通り、
楽しそうに過ごしている。

「斬り殺されても文句言わないでくださいね」

「あぁ」

シロのとった方法は単純だ。
彼らは食事の時と依頼があった時は、
必ず玄関近くの円卓を囲む。
そこにレイリが乱入すればいい。
謝れるか分からないし、
まず口を開けるかも怪しいが。
天月が1人では乗り越えられないというのなら、
それを傍で支えてきた彼らが居れば、
乗り越えられるのでは。と
シロはそう言った。

どうせ天月さんが反応したら
皆さんそれぞれ臨戦態勢になりますから。
許してもらうだなんて考えないでくださいよ。
あなたは、彼の呪縛を解くためだけに行くんです。
恨まれようが憎まれようが、
それはあなたのとった行動に対する責任です。

シロはそう言って、
レイリを送り出した。

案の定天月は大いに反応した。
予想外の彼の様子に、
まずセンラとそらるがガタン!と席を立つ。
まふまふは天月の傍へ。
うらたも一瞬遅れて腕に風を纏わせ、
坂田は室内だと
自分に言い聞かせて厳しい視線をレイリに向けた。
志麻は一歩下がって状況を読まんとする。
シロはその様子を固唾を飲んで見守っていた。

「自分、誰や」

「あまちゃん?!落ち着いて!
ゆっくり!深呼吸するんだよ!」

「名乗れよ」

レイリはその異様なまでの殺気に
一瞬戸惑ったのだろう、一瞬躊躇って口を開く。

「レイリ。南方の軍人で、
そこにいる天月の元上司だ」

「ただの上司には見えんなぁ」

センラがちらりと天月を見て
一層眉根を寄せてそう言った。

「俺が南方の部隊からそいつを追い出して、
ここに送った」

レイリはあくまでたんたんと語った。
バチィ、とセンラの雷が飛ぶ。
レイリはそれを横に一歩避けて口を開く。

「済まなかった」

そらるの高圧水流が
横薙ぎにレイリの身体を舐める。
肩口から血が吹き出すが、
構わずレイリは床に頭を付けた。

「済まない……本当に…すまなかった……!」

「?!」

うらたがそれを見て
センラとそらるの前に立って手のひらを上げる。
待て、の合図。

「お前を部隊から追い出したのは…
それで守れてると思った俺の自己満足だ。
ただのエゴだ。
部下を死なせまいとして…結果として、
俺はお前に傷をおわせて、
こんな所に送っちまった」

「済まない、天月……
お前は、お前の能力は、ちゃんと強いから。
本当に…済まない…!」

41話→←39話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
129人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 能力
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

煮凝り - れもんさん» あ゛っ…!読み返してまで…ありがとうございます更新頑張りますね!! (2020年9月11日 22時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 煮凝りさん» 全然いいなのです〜!!今日また見返してほっこりしてますw!! (2020年9月11日 19時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - れもんさん» 返信遅くなってすみません…!ほっこりしていただけたなら嬉しい限りです!! (2020年9月10日 17時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - やああああ、いい仲間〜!!心温まる〜!!! (2020年9月4日 20時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - ささささん» わぁぁ嬉しいです……!!頑張りますね!! (2020年9月3日 19時) (レス) id: d8b345149a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:目に煮凝りができた | 作成日時:2019年12月23日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。