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34話 ページ35

思い上がっていたつもりなどなかった。

別に自分の中で、

志麻に適切な助言?

と言うか、心の支えになるようなことを

言ってあげられたつもりは無い。

むしろ、笑い話で

誤魔化してしまったようなもので。

……私は思い上がって……

調子に乗っていたのか?

シロは自分の中に問いかける。

そんなまさか。

そう思うが、

たしかに今回のことは

出過ぎた真似なのかもしれない。

「……君のこと、確かに仲間だって言ったけど、
そんなに調子に乗られると困るんだけど。
僕達の能力は君には効かないだろうけど、
……寄ってたかってやれば、
僕らの方に分があるんだからね」

「……今回はセンラが正しいからな」

まふまふに、うらた。

天月にはもう触れるな、

と全員の目がいっていた。

「……嫌です。
すみません、身勝手なことなのかも知れません。
……天月さんの過去のことには、
私の恩師が関わっていて。
私は、天月さんも、あの人も……
とにかく!
お節介かもしれません。
でもこのまま見過ごすなんて、私にはできない。
……これが終わったら
部隊を抜けたって構いません。
司令官には話を通す。
…だから好きにやらせてください。」

シロはぺこりと頭を下げると、

胸元から本部通信用の端末を取り出して、

安曇に繋ぐ。

「……安曇さん。
レイリの番号ってわかりますか。
……はい、はい。了解です。
それから○○○のホテル、
予約お願いしてもいいですか。
本部の名前でお願いします。
……それから、
明明後日司令官にアポお願いします。」

要件だけさっさと言うと、

一方的に通話を切る。

受話器の向こうで何か言っていた気がしたが、

今はそれどころではない。

天月さんのあれは、

要するにPTSD。

戦場でそうなった仲間を何度も見たことがある。

それと比べてもあれは随分と酷い。

あのまま抱えたままだなんて、惨すぎる。

円卓が何か騒いでいる気がした。

……音として飛び込んでは来るものの、

内容まで頭に入らなくて。

「……れいさん?」

そのまま無視して通話を繋いだ。

「……私です、シロです。
明日って空いてますか?
朝から会いたいんですけど。
……ええ、その事です。天月のこと。
……あんたが何をしたかなんて知りませんよ。
根本的なことを彼は何も話してくれなかった。
……話すことも出来なさそうです。
あんた一体何した?
……全部話しますね?
じゃあ明日の朝XXXXで。」

安曇と同じくそのまま切る。

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煮凝り - れもんさん» あ゛っ…!読み返してまで…ありがとうございます更新頑張りますね!! (2020年9月11日 22時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 煮凝りさん» 全然いいなのです〜!!今日また見返してほっこりしてますw!! (2020年9月11日 19時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - れもんさん» 返信遅くなってすみません…!ほっこりしていただけたなら嬉しい限りです!! (2020年9月10日 17時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - やああああ、いい仲間〜!!心温まる〜!!! (2020年9月4日 20時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - ささささん» わぁぁ嬉しいです……!!頑張りますね!! (2020年9月3日 19時) (レス) id: d8b345149a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:目に煮凝りができた | 作成日時:2019年12月23日 14時

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