26話 ページ27
「おっふろおっふろ〜！！」
例の銭湯。
そういえばこの前おばちゃんにあったんだっけ〜
なんて思いながら体を洗い、
湯船に浸かる。
……この前は真っ赤で来て、
周囲の人からすごい視線を浴びたので
服は着替えて顔は濡れたタオルで拭ってから来た。
髪の毛は黒なので血は目立たない。
……その代わり流れる水が真っ赤だったが。
「あら！あんたいつぞやの！！」
噂をすればなんとやらである。
「あ！
ご無沙汰してます〜！」
「元気にしてるかい？
……そういえば、職場のアレ！
どうなったんだい？」
興味津々とばかりに距離を詰めてくる。
「ん〜、
どうなんですかねぇ。
なんだか、
向こうが無理に
心を開こうとしてくれている感じで……。
正直、相手の感情が読めなくて。」
「あら、進展してたのかい。
……無理に心を開く
なんてことがあるわけないだろう！
それは無理に開いてくれてるんじゃなくて、
受け入れようとしてくれてるんだよ。
…あんたがその同僚に
何をしたのかはわからないけどね。
…あんたの行為を、
その人たちが受け止めたってことだよ。」
進歩じゃないか！！
なんて笑っている。
「何か…したんですかね……。
ただ現実を突きつけたって言うか…
残酷なこと、
したんだろうなって今になって思ってて。
その時は、ちゃんと善意だったんです。
ちゃんと現実と向き合って欲しかったから。
でも、それってもっと
伝え方があったんじゃないかな、とか。
もっと言葉を選ぶべきだったのかな、とか。
色々考えちゃって。」
ふ、とシロはあの日のことを振り返った。
そらるが泣いたことが、
あの日はほとんど理解できなくて。
それは辛い現実だろうね、
位のもので。
一人部屋に帰って考えた。
自分の言葉がどんな意味を持っていたのか。
彼らのことを何も知らなかったのに。
そして志麻との会話で気づいた。
……圧倒的自分との差。
自分はおかしいのかもしれない。
確信めいた予感。
これは生来私が狂っていたのか。
それとも育てられかたのせいなのか。
その答えはわからないけれど。
「……ダメなやつなんです。
仲間だって、言ってくれるけど。
そう言わせてる気分になって。」
たゆたう水面を眺める。
僅かに映るシロの顔は、やけに歪んでいて。
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煮凝り - れもんさん» あ゛っ…！読み返してまで…ありがとうございます更新頑張りますね！！ (2020年9月11日 22時) (
レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 煮凝りさん» 全然いいなのです〜！！今日また見返してほっこりしてますw！！ (2020年9月11日 19時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - れもんさん» 返信遅くなってすみません…！ほっこりしていただけたなら嬉しい限りです！！ (2020年9月10日 17時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - やああああ、いい仲間〜！！心温まる〜！！！ (2020年9月4日 20時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - ささささん» わぁぁ嬉しいです……！！頑張りますね！！ (2020年9月3日 19時) (レス) id: d8b345149a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：目に煮凝りができた | 作成日時：2019年12月23日 14時
