検索窓
今日:8 hit、昨日:33 hit、合計:77,018 hit

21話 ページ22

「みんな、聞いて欲しいんだ」

『ん?』

いつもの夕食。

例のごとくまふまふが手を挙げてそういう。

「……今二階にいる彼女のこと。
実は数少ない伝手を使って調べてたんだ。
……大したことはわからなかったけど、
聞いて欲しい。」

「シロ。17歳。女。
能力無効化の能力者。
黒髪グレーの目。
入隊日2XXX年X月X日……つまり12年前だね。
配属記録なし。
ずっと司令部直属の遊撃士をしてる。
任務記録全てソロ。
内容はどれも過酷というか……
多分彼女じゃないと不可能だ。
……わかったのは、それくらい。」

「12年前……」

「5歳じゃん」

少しの間、

そんな思い思いの言葉が交わされ。

「……僕らの中に他人が入ってきたことに、
不快感がないって言ったら嘘になるよ。
ずっとこのメンバーだったから、
違和感というか、
そういうのが残るのはたしかに分かる。
けど多分、
彼女が昨日
ホントのことを言ってくれなかったら
多分僕達はどこかで失敗してたし、
戦闘でだって助けて貰ったし、
盲目的に邪険に扱うのは、
ちょっと違うかなって思う。
…それに、5歳からずっとソロ任務。
憶測になるけど、
彼女の方が人と暮らす…
仲間って存在に困惑してるんじゃないかな。
すぐに信用するとかは無理だけど…
ちゃんと仲間になる人間、
として関わるべきじゃないかな?」

「俺は賛成」

「俺も」

まふまふの言葉に、

志麻、坂田がすぐに答える。

「…センラも
すぐに信じるとは行かんと思いますけど…
これから一緒に戦うわけやしね」

「俺も…助けて貰ったから」

センラ。天月。

「……努力はする」

とうらた。

「……まふには悪いけど、
俺の中ではそんな簡単に行かない。
でも、俺もちゃんと
向き合わなきゃいけねぇとは思ってるから。」

「わかってる」

まふまふがそれに答えて、

そらるの方を見つめた。

「……そらるさん」

その声で、

全員の視線がそらるの方をむく。

「………………」

しばらく静寂が続いた。

「そらるさん」

まふまふがもう一度促す。

「わかってる。
俺も、ちゃんと向き合ってみる……」

そうしてようやく紡がれた言葉に。

まふまふは、はい!と返して。

「せやったらそらるさん、
シロちゃんに
ちゃんと謝った方がいいんじゃないすか?」

「え」

「そうですよ!
そうしましょそうしましょ!!」

「え、いや……いい……」

「シロちゃんが良くないですって!」

「…………いいって」

22話→←20話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
129人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 能力
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

煮凝り - れもんさん» あ゛っ…!読み返してまで…ありがとうございます更新頑張りますね!! (2020年9月11日 22時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 煮凝りさん» 全然いいなのです〜!!今日また見返してほっこりしてますw!! (2020年9月11日 19時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - れもんさん» 返信遅くなってすみません…!ほっこりしていただけたなら嬉しい限りです!! (2020年9月10日 17時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - やああああ、いい仲間〜!!心温まる〜!!! (2020年9月4日 20時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - ささささん» わぁぁ嬉しいです……!!頑張りますね!! (2020年9月3日 19時) (レス) id: d8b345149a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:目に煮凝りができた | 作成日時:2019年12月23日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。