検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:76,978 hit

20話 ページ21

数日後。

「シロさーん、
ご飯一緒に食べましょうよ〜!!」

「うるさい志麻」

ノックもなしにズケズケと入ってきた志麻に、

シロは携帯食料をつまみながら答える。

「…この前もそれ食べてたけど、
お前ずっとそれ飯にしてんの?」

「そうだよ」

「…うまいん?」

「んー、味のないクッキーかな」

「絶対まずいやん」

な、一緒に食べようや、

と志麻は続ける。

「なんで……
別に行ったっていい空気になるでもなし。
ていうか、
君私に言いたいことあったんじゃなかったっけ?」

「坂田は待ってるで。
センラも最近飯一人分おいくつくってるし。
おかげで少食のヤツらが困ってる
……そういやそんな話もあったな。
お前が飯一緒に来るなら今晩言うわ」

楽しそうに笑う志麻。

構えていなかった所に、

突然嬉しい事を言われてシロは若干顔を赤らめて。

「…ほんとに?
いや、ちょっとまってよ。
なんで私が聞きたいみたいになってんの」

と返す。

「お、照れてる?
なんや可愛いとこあるやん!
…聞きたいから聞いてんとちゃうん?」

「うっさい!
別に。しんどそうだったから気にしてただけ。
吹っ切れたんなら別にいいよ。」

そうしてポンポンと会話を続けていたうちに。

『うわぁぁぁ!!!』

バキン!!

とおおよそ

日常で耳にすることは無い金属音と共に、

シロの部屋のドアが壊れた。

ドサドサドサッ!

と床に倒れ込む、

坂田。センラ。天月。そらる。

「お、重い」

「センラくんが押すから!」

「あ!そらるさん帰ったらダメですよって!」

「いや…帰る……」

「……な、なんなんですか……」

シロは意味がわからないと思わず言葉をこぼした。

「シロちゃん
まーしぃが誘っても絶対こぉへんって思って
ゴリ押ししに来たんやで」

「そろそろ俺のご飯食べてくれへん?」

「そらるさんは〜!
この前悪かったって謝りに来たんですよね!」

「あっ!天月!!」

「ほら、シロ、みんな待ってんで」

「え…あ、う……」

あまりのことにシロは頭が働かないらしく、

適当な母音だけの音を発している。

「俺たちもう仲間やんな〜!」

坂田は満面の笑みでそう言って。

……彼らの態度の変化はたしかに著しいが。

それは1日前に遡ることになる。

21話→←19話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
129人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 能力
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

煮凝り - れもんさん» あ゛っ…!読み返してまで…ありがとうございます更新頑張りますね!! (2020年9月11日 22時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 煮凝りさん» 全然いいなのです〜!!今日また見返してほっこりしてますw!! (2020年9月11日 19時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - れもんさん» 返信遅くなってすみません…!ほっこりしていただけたなら嬉しい限りです!! (2020年9月10日 17時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - やああああ、いい仲間〜!!心温まる〜!!! (2020年9月4日 20時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - ささささん» わぁぁ嬉しいです……!!頑張りますね!! (2020年9月3日 19時) (レス) id: d8b345149a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:目に煮凝りができた | 作成日時:2019年12月23日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。