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2話 ページ3

「だぁるぅい〜!!!」

シロは与えられた部屋に窓しかない事に呆れかえり、

全力で地団駄を踏んでいた。

「普通ベットと机くらいは
準備してくれるもんじゃないのぉ?!」

信じられない!!

と叫ぶ彼女だが、

部屋から出ない宣言を

あんなに格好よく決めた手前、

「あ、ちょっとベッド買ってきますわ」

とすぐに外出するのはプライドが許さない。

「…死ぬ。このままじゃ死ぬ。」

暇つぶしもないし、寝ることも出来ない。

……極刑の犯罪者じゃないんだよ私は!

prrrrrr……!

彼女の胸元で、

可愛らしい音を立てて着信音が鳴った。

「はい、シロ」

『これから食料一式送るけど……
もう部屋にいる?』

「安曇さん!!
出ていけって言われたんで、
部屋にこもってます」

安曇。

上層部通信司令部に所属する20歳すぎの女性。

能力は。

『どう?届いた?』

ドン、と急に部屋に現れるダンボール箱。

「その能力、便利すぎじゃないですか……って!
すみません部屋に何も無いんで、
ベッドと
私の部屋の本棚と机送って貰ってもいいですか?」

「便利って言っても、物しか送れないから。
……噂通りの待遇ね……!
了解、送ってあげる。」

少し待ってて、

そんな声とともに保留中のメロディが流れ出す。

「…これで餓死はないな〜」

そう言いながら備え付けのクローゼットに

ひとつずつダンボールを運び。

「溢れるんだけど」

そういった途端に、部屋にベッドと机、本棚が現れた。

『届いた?送ったつもりなんだけど』

「あ、はい!来ました。
ありがとうございます!」

『間取り見て送ったから、
いい位置にあると思うけど……
動かしたかったら言ってちょうだい。』

言われてみれば、ベッドは左の奥に。

机は右端。本棚はその横に設置されていた。

「全然問題ないです。
何から何まですみません……!」

『大丈夫。
じゃあ、また何かあったら言ってちょうだいね。
それじゃ』

「はい、失礼致します。」

ぷッ、通話が切れる。

「ふはァ〜!!」

思い切りシロはベッドに飛び込んだ。

そして一言。

「お風呂に入れない!!」

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煮凝り - れもんさん» あ゛っ…!読み返してまで…ありがとうございます更新頑張りますね!! (2020年9月11日 22時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 煮凝りさん» 全然いいなのです〜!!今日また見返してほっこりしてますw!! (2020年9月11日 19時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - れもんさん» 返信遅くなってすみません…!ほっこりしていただけたなら嬉しい限りです!! (2020年9月10日 17時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - やああああ、いい仲間〜!!心温まる〜!!! (2020年9月4日 20時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - ささささん» わぁぁ嬉しいです……!!頑張りますね!! (2020年9月3日 19時) (レス) id: d8b345149a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:目に煮凝りができた | 作成日時:2019年12月23日 14時

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