【歌い手】神だからね

19話 ページ20

「ふふ、うらさんも泣いてるやん」

「そんなん言われたらやるしかないな」

「……センラらしくなかったですわ」

「ごめんなさい、
ちょっと冷静じゃありませんでした」

「っ、うらたの癖に格好いいじゃん……！」

「泣いてないよぉ〜！！！！」

その思いのこもったエールに。

全員笑顔に変わる。

「そうだよな、今までとなんも変わんないか。」

「作戦たてがいがでてきたな！」

「俺も新しい技磨こ」

「まーしぃはそろそろサポート磨きや」

そうして戻ってきたいつも通りを見て。

輪の外でシロは笑う。

言ってよかった。

……どうせなら揃って生きて欲しい。

一端の人間だし？私も。

国のための捨て駒、

そんなものを

簡単に受け入れられるほど人間捨ててはいない。

……このメンバーなら大丈夫だ。

じゃれ合う彼らは、

生を諦めたようには見えないから。

そう思って一人静かに階段を上がる。

所詮部外者。無関係。

その事実は変わらないから。

「っシロ！！！」

バタン！と扉が開いて志麻が顔を出す。

「教えてくれてありがとーな！！」

「やる気出た！！」

その後に志麻に飛び乗り叫ぶ坂田。

その言葉に、シロは大きく目を見開いて。

「っ……私までとばっちり食らうの、
嫌ですから」

予想外のことに、

そんな冷たいことを言ってしまって。

「仲間やもんな〜！！」

それを全く気にしない坂田の、

仲間

なんて言葉に。

「っ……！！はい！！！」

全力で笑って見せたのだった。

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