【歌い手】神だからね

15話 ページ16

「神だからね？！」

『……信憑性ないわぁ……』

敵もそっちのけで繰り広げられる

言葉の応酬に、

しばし固まっていた兵達だったが。

「っ…舐めるなよ？！！」

どぷん！

と見るからにヤバそうな

紫色の粘液の塊が飛んできた。

「うるさい！」

冷静さを欠きまくりのシロは

とりあえずそれを手のひらで受け止めて。

「っおい？！」

「馬鹿！！」

「だから効かないんだって！！」

その塊はジュワァ……！！

と彼女の手のひらの上で溶ける。

「？！？！」

あからさまに動揺する敵。

「まふまふさん！
これ全部殺してもいいですか？！」

「いや無理でしょ！！」

その言葉を聞いた瞬間。

血の池に倒れ込む敵兵。

全身真っ赤に染まった少女が

一瞬にして形成されていた。

「…また血まみれ」

シロは超絶苦い顔でそう呟く。

「すご……」

誰かが呟いたその声に。

「神だからね」

シロは満面の笑みで答えた。

「……血まみれで笑ってる少女の図」

「マニアックやわァ……｣

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