検索窓
今日:28 hit、昨日:2 hit、合計:77,005 hit

1話 ページ2

「今日から遊撃士が1人来るらしいんです。」

朝食の席、

統率役であるまふまふはそうみんなに告げる。

「え?」

「…本当なの?」

たちまち騒がしくなる面々。

「うん……上の命令だって。
どうやら若い女で、
名前はシロって言うらしいんだけど……」

たんたんと

上層部から与えられた情報を読んでいくまふまふ。

「女?」

「なんで今更……」

「どうせ使えないやつでしょ……」

「まぁまぁ、そう言わずに〜!
どうも、呼ばれて登場!シロちゃんです!」

瞬間、

ピリピリと張り詰めていた空気をぶち壊す、

間延びした声が室内を満たした。

反射的に全員がそちらに顔を向ける。

女にしては少し高身長で、

黒髪、アイスグレーの瞳の少女が

にっこり笑ってたっていた。

3秒ほど少女はそのまま笑っていたが、

誰も反応しないことに焦ってか、

「えとー、反応して欲しーんですけど……」

ねっ?ねっ?

とやけくそ気味に話しかける。

「…てけ」

誰の声だか分からない。

静かに呟かれたの言葉があった。

「へ?」

聞き取れなかったのか、

少女はもう一度、と言わんばかりに聞き返した。

「出ていけ」

今度はハッキリと、

全員から言葉が投げられた。

「へ?」

今度の少女は苦笑いだった。

「…誰もお前のことなんか、望んでないから」

青い目がそう言って少女に背を向ける。

「はぁ〜」

その言葉を聞いて少女は感嘆したような、

そんな声を漏らして。

「…了解です。
部屋、頂いてるんでそこにいます。
なんかあったら呼んでください。
…あ、ご飯いらないんで。」

先程まで浮かべていた、

阿呆そうな笑みを全て消して。

そのアイスグレーに似合う、

鋭利な刃物のような無表情でそう言った。

そのまま踵を返し、扉に姿を消す。

「…なんやねん」

紫が、はぁー、とため息とともにそう呟いた。

「部屋にいてくれるんなら好都合だよ」

「ほんとにご飯いらないのかなぁ?」

「作って貰える気でいた方に驚きなんやけど」

ポロポロ、と彼女についての言葉が零れていく。

「…部屋から出ない、飯も食わないとなれば
いつか死ぬだろ。
適当に死亡報告すればいい。」

またしても冷酷な青色。

「そらるさん、そういうのは言っちゃダメですよ」

まふまふはにっこり笑って

そらると呼んだ青色に注意する。

「黙って実行しなきゃ。」

そう言ってさらに綺麗に微笑む彼を。

円卓を囲む全員が笑顔で見つめていた。

2話→←設定



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (60 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
129人がお気に入り
設定タグ:歌い手 , 能力
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

煮凝り - れもんさん» あ゛っ…!読み返してまで…ありがとうございます更新頑張りますね!! (2020年9月11日 22時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - 煮凝りさん» 全然いいなのです〜!!今日また見返してほっこりしてますw!! (2020年9月11日 19時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - れもんさん» 返信遅くなってすみません…!ほっこりしていただけたなら嬉しい限りです!! (2020年9月10日 17時) (レス) id: 070d398b9c (このIDを非表示/違反報告)
れもん(プロフ) - やああああ、いい仲間〜!!心温まる〜!!! (2020年9月4日 20時) (レス) id: e9c3d8ad5a (このIDを非表示/違反報告)
煮凝り - ささささん» わぁぁ嬉しいです……!!頑張りますね!! (2020年9月3日 19時) (レス) id: d8b345149a (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:目に煮凝りができた | 作成日時:2019年12月23日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。