変です！ ページ30
泣かない、泣かないでよ私。明日もまだ旅行なんだよ、泣いた痕なんてできちゃったら、なんて言い訳するの？櫻井くんがとっても好きで、そんな好きな人が、他の子とキスしてたから泣きましたって？言えないよ、言えないから。櫻井くんにも迷惑だよ、だって、あの様子じゃ荊田さんと付き合うんでしょ？
なんで、なんで？なんでキスしたの？
だって、荊田さんだよ、荊田さんなんだよ。他人に仕事押し付けて、猫被って、自分はいつも、定時に上がってデートしに行くような人だよ。今日だって、本当はあっち加害者だったとか、あの子を信用した俺が悪いとか、そんなこと言って、私を疑ったこと反省してたのに。そんな人と付き合うの？なんで？
ああ、やだ、荊田さんは正直付き合えるタイプの人間じゃないけど、悪口なんて言うつもりないのに。ねぇ、櫻井くん、嫌だよ、あんたを疑問に思うようなこと、考えたくないよ。
変だよ、やっぱり変だ、櫻井くんってそういう趣味？やっぱりどうしてもあんたからキスしてるように見えたのに、どう考えたって、おかしいんだ。なんでキスしたの？なんで、キスできたの？
それに、私たちとの約束は？
あとで、って口パクで伝えてきたのは、櫻井くんだったでしょ？そんなことまでして、約束を破る櫻井くんを、私は知らない。
やっぱり、変だよ。
何かおかしい。
「A、」
がしりと肩を掴まれて、進んでいた方向とは逆方向に向けさせられる。切羽詰まった様な顔した二宮くんが私の名前を呼んで、眉間に皺を寄せている。
「にのみやくん、」
「なんで逃げてんの。」
「なんでって、そりゃ、お邪魔だし。」
「お邪魔だからって逃げんの、好きなのに？普通好きだったら邪魔しなきゃでしょ。」
「…だって、私に止められる資格ないし。」
「そんなの、好きだからって理由じゃダメなわけ？」
「その理由は言えないから、」
「なんで？」
「なんでって、櫻井くんは、同僚で、友達で、」
「馬鹿なの？」
「は？」
「何もしなかったら、そっから何も変わんないんだよ？わかんねーの？」
「でも、」
「他の女とキスする現場見て顔面蒼白で逃げるくらい好きなら、そこから変わろうとする努力くらいしろよ。叶えろよ。」
「だって、櫻井くんだよ、櫻井くんは、私のこと、なんとも。」
「告白して意識させりゃいいじゃん。それとも何、あの人は友達に告白されたからって距離置くようなヘタレなわけ。」
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あま - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!! これからも応援してます!!! 頑張ってください!!!!! 待ってます!!!!! (2020年3月18日 1時) (
レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
さおりんご(プロフ) - とても面白く、いつも胸キュンしながら読ませていただいています。陰ながら応援させて頂いてますので更新頑張ってください！ (2020年3月17日 3時) (レス) id: 27caed879b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤乃 | 作成日時：2020年2月1日 0時
