ピンクのゴンドラ ページ36
乗り場近くに来ると、止まってたゴンドラが動き出したのが見えた。
風・・・、止まなきゃよかったのに。
もう少しこのまま二人でいたかったな。
もう一回、言っとこ。
玉森「Aちゃん、あのさ。
昨日俺が好きだって言ったの、覚えてる?
あれ、熱のせいじゃないからね。俺の気持ち忘れないで。」
A「えっ、あ、うん、」
どうしよ、って表情。
告白とか慣れてなさそうだしな。
玉森「・・・ガヤと、ずっと仲良くね。」
ゴンドラ乗り場について確認すると、風が収まった今なら上のテラスに上がれるって。
玉森「Aちゃん。
二人のことさ、見届けたいなって気もあるけど、やっぱやめとくわ。」
A「え?玉森くん、待って。
どういうこと?!」
玉森「ここから先は一人で行きな。
だいじょぶ、心配いらないから。」
A「心配いらないって、玉森くんは?」
玉森「Aちゃん、今度こそ幸せにね。」
自分の気持ち吹っ切るように、Aちゃんの背中押してゴンドラに乗せた。
玉森「お願いします。」
ゆっくり動き出したピンク色のゴンドラ。
どんどん小さくなって、とうとう見えなくなった。
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作者名:たまさくら | 作成日時:2019年9月1日 17時