表紙 ページ6
・・・気持ち、応えてくれなかったけど。
当たり前か。
その時、まだ離婚もしてなかったもんな。
Aさん。俺のこと、ステキな人だって言ってくれた・・・
でもいつか、ファンじゃなく。俺のこと、1人の男として見て欲しいって思ってた。
そういう日がくるんじゃないかって・・・
・・・出版社に勤めてるAさんとは、仕事でも一緒になること。時々あって。
そのたび俺、仕事楽しみだった。
もらった仕事に優劣とか？つけるつもりもなくて。
どんな仕事にもいつも、全力で取り組んでるんだけどさ。
・・・そこ。やっぱ人間だから。会いたい人がいたりすると。はりきっちゃたりするじゃん？
偶然、Aさんが担当してる新創刊の雑誌、俺の主演映画とタイアップしてて。
表紙、俺に決まったんだ。
それがらみでプレス発表とかパーティーとか？
それからもAさん。仕事で会う機会、増えてった・・・
そう・・・雑誌の新創刊のプレス発表の時・・・
急遽都合ついて、駆けつけた会場にAさん。いたよな。
キレイなカッコしてて。華やかな・・・
周りの視線、集めてた。芸能人でもないのにな。
本人、全く気づいてないみたいだったけど。それ、離れたとこにいた俺でもわかったんだ・・・
ざわついた会場、抜け出して。
ホテルのロビーで2人。秘密の会話みたいなこと？したな。
そこでも俺。キレイだよって・・・抱きしめたくなるって・・・
思ったこと、つい。口に出ちゃって・・・
Aさん。困らせたっけ。
そのあと。ずっと一緒にいてあげたらあんなに酔っ払ったりしないで済んだのにな・・・
いないことに気がついて、Aさん。探したときにはすでにもうかなり酔ってて・・・
立てないくらいになってて。酒、強いって言ってたのに。
半端ないくらいの空いたグラス、並んでた・・・
俺、周りに気づかれないように抱えて帰って。
Aさんの家で、玉とはち合わせしたんだった・・・
その時からもう。Aさん、玉と付き合ってたの・・・？
だよな・・・？
俺。気がつかなくて・・・
玉もそういうの、あんま表に出さないし。
聞くのも野暮かなって思ったし・・・？
結局そのまま？
その時から俺。自分の気持ち。胸ん中、しまっておくしかなくなったんだった・・・
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作者名：たまさくら
| 作成日時：2014年6月25日 14時
