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昼休みになると、クラスメイトはわらわらと仲のいいグループで集まって各自でお弁当や購買で買ったパンを広げていた。
しかし私は、いつも1人で食べているので特になにを言う訳でもなく、お弁当を抱えて屋上までの階段を登っていた。
うちは珍しいタイプの学校で、屋上が解放してある。まぁ風強いし寒いから屋上でお昼を食べる人なんて見たことがないのだけど。
不安な気持ちを抱えながら屋上の立て付けの悪い扉を開けると、人は誰もいなかった。
そりゃそうだ。屋上を利用する事なんて授業の一環くらいでだし、今は屋上を使った授業を行う期間ではないのでわざわざ屋上にまで来る奴なんて居ない。今日もスカートがめくれそうになるほど風が強いし、吹き抜ける冷たい風が肌を容赦なく刺してくるので寒い。
センラくんとの関係は絶対にバレたくないし、人が居ないのは好都合だけど。
「はぁ……」
溜め息を吐いて少し錆のついたフェンスに背中越しに寄りかかるけれど、思う事はたった一つだ。
センラくんは、なんで私なんかに構うんだろう。
私で遊んでるって事は何となく察してるけど、たぶらかしたいだけなら付き合う必要はなかったんじゃないかな。こんな地味子と居て何になるんだか。
社会的地位が高い人のことは分からないな、なんてしょうもない事を考えていると、ギィッと鉄が擦れるような音がして、視線を向けたドアの奥に金髪が見えた。
こんな特徴的なアシンメトリーな髪型をした金髪の人物は一人しかいないので、私は瞬間的に身体を強ばらせる。その私の様子を見た彼は口端を持ち上げて、満足そうに声を出した。
「偉いなぁ、今回は俺より先に来れたんやね」
「だ、だってさっき……理不尽に怒られたから……」
「理不尽？ふーん、そーゆー事言うんや。何度も言うけど、俺はAが恥ずかしい思いしても構わんのよ」
「っ、もうそれいいから！……い、言うことは聞いてるんだから、もう意地悪しないで……」
言ってしまった、と後になって後悔した。やってしまったことに気づいて焦りを感じ目に涙が滲む。
それをあまり表面には出さないように下唇を噛んで我慢しようとすると、口の中に鉄臭い血が滲んで気持ち悪くなった。血の味がする。
しかし、いつまでも返ってこない言葉の返しにだんだんと不安になってきて、控えめに彼を見上げると、センラくんはいつになく楽しそうな顔をしていた。
「逆らうんやったらさ、ペナルティとか必要やんな？」
その言葉にゾッとする。
「1回逆らうごとに、キスしよっか。嫌いな奴にキスなんかされたくないやろ？」
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白雨(プロフ) - mさん» ごめんなさい気づかなくて返信遅れました(汗) 以前からの読者でしたか……！いつもお世話になっております◎ ありがとうございます〜！今度は最後まできっちり完結させるつもりですので、更新はゆっくりかと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2月12日 0時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。以前からこの作品が好きで何度も読み返していたので再掲してくれて本当に嬉しいです！ありがとうございます。無理のないペースで頑張ってください。更新楽しみに待ってます🫶🏻 (1月11日 2時) (レス) id: ae0456fc9b (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - 貴月さん» 以前の読者さまがいらっしゃったとは、びっくりしました……！その言葉を聞くことが出来て、また書き始めてよかったなと思えました。今度こそ必ず完結させます。また見つけてくださって本当にありがとうございました！ (6月23日 21時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
貴月(プロフ) - コメント失礼します。以前からすごく大好きな作品だったので、またこの作品を読むことが出来て本当に嬉しいです！更新楽しみにしています…！ (6月21日 16時) (レス) id: 76caf5b15a (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - yumeさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！後々、セさんの行動の意味や心情も分かるようになってきますので是非今後ともお付き合いください◎ (6月21日 11時) (レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：疑心暗鬼の中で芽生える執愛。
作成日時：2023年6月8日 21時
