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「……なに、藍原と仲良くなったん?」


ふと、そんな声が耳に届いた。

目の前の彼女に気を取られていたせいで全く気が付かなかったが、気がつけば隣の席に鞄を置いたセンラくんがこっちを怪訝そうな顔をしながら見ていた。

いつの間に教室に入ってきたんだ。全く気が付かなかった。

なんて、そんな事を思いながらも先程からこちらに刺さるような視線を向けてきているセンラくんに、何故か急に自分がいけない事をしているかのような気になってしまって思わず生唾を飲む。

彼に気がついた藍原さんは冷や汗を流す私に気づく訳もなく「あ、折原くんおはよ〜!」と元気に話し掛けていたが、当の本人は彼女になんて目もくれずに真っ直ぐに私を見ていた。お願いだからこっち見ないで、と切実に思ったがその願いが聞き入れられることはまずまずなかった。


「ふーん……よかったやんA、友達増えて」

「う、うん……」

「藍原も、Aいい子やから仲良くしたってな」


なんと彼はまるで私とずっと前から親しいとでも言うかのような口調でそう言ったものだから、私は思わず目を見開いて彼を見つめてしまう。

その時のセンラくんの顔といえば、してやったとでも言いたげな満足そうな笑顔を顔に浮かべていて色々と言い返したくもなったが、周りの目があって何も言葉を返すことはできずに終わってしまった。

絶対に私が目立つ事を嫌がっていると分かった上で親しそうに話し掛けてきたに決まってる。

しかも名字じゃなくて下の名前で……!!


「えっ、折原くん佐伯さんと仲いいの!」

「んー……まぁ仲良いっちゃ仲良いかな」

「なら紹介してくれればよかったのに!私折原くんにも佐伯さんと話してみたいって言ってたのに……」


センラくんに対してはなにを肯定してるんだ否定しろ、とも思ったがその前に落胆するように肩を落とした藍原さんの言葉の方が気になった。

前々から、私に話し掛けたかった……?

何を言ってらっしゃるんだこの方は。そんな恐ろしい事を考えていたのか。

クラスで1番……いや、下手したらこの学校で1番かわいい女の子と隣に並んでお喋りするとか冗談じゃない。

引き立て役だなんだと言われた挙句に何故あんたが隣に、だなんて事を取り巻きの女の子達に言われてなにかされる事だってあるかもしれない。だって彼女は周りを惹きつける才能もあって、人望も厚いから変な風に周りの力が働くのだ。


「(さ、さっきの嫌な予感、当たってしまったのでは……)」


思わず俯いていた顔が引き攣った。

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白雨(プロフ) - mさん» ごめんなさい気づかなくて返信遅れました(汗) 以前からの読者でしたか……!いつもお世話になっております◎ ありがとうございます〜!今度は最後まできっちり完結させるつもりですので、更新はゆっくりかと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2月12日 0時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。以前からこの作品が好きで何度も読み返していたので再掲してくれて本当に嬉しいです!ありがとうございます。無理のないペースで頑張ってください。更新楽しみに待ってます🫶🏻 (1月11日 2時) (レス) id: ae0456fc9b (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - 貴月さん» 以前の読者さまがいらっしゃったとは、びっくりしました……!その言葉を聞くことが出来て、また書き始めてよかったなと思えました。今度こそ必ず完結させます。また見つけてくださって本当にありがとうございました! (6月23日 21時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
貴月(プロフ) - コメント失礼します。以前からすごく大好きな作品だったので、またこの作品を読むことが出来て本当に嬉しいです!更新楽しみにしています…! (6月21日 16時) (レス) id: 76caf5b15a (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - yumeさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!後々、セさんの行動の意味や心情も分かるようになってきますので是非今後ともお付き合いください◎ (6月21日 11時) (レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白雨 | 作者ホームページ:疑心暗鬼の中で芽生える執愛。  
作成日時:2023年6月8日 21時

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