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思わず話し掛けられているのが本当に自分なのかと疑ってしまったが、そういえばここは1番後ろの席なので背後にはロッカーしかなかった。

思わず視線を泳がせ気味になりながら彼女を見上げると「そういえば、この前のリップ使ってみた?」と更に話題を重ねられる。

な、何故ここに藍原さんが。

そんな事を考えながらも困惑している頭をどうにか動かして言葉を返そうと口を開くが、この時の私の声は殆ど驚きが隠せていない戸惑ったような声色だったと思う。

しかしなるべく目立ちたくないと思いながら生きているので、未だに目の前にいる彼女を見て頭がフリーズしてしまっているのだから仕方がない。


「え、えっと、使ってみたよ。あのリップ香り付きだったんだね」

「使ってくれたんだ、よかった!そうそう、あのシリーズ香りがついててね、殆どがフルーツの香りなんだけど再現度が凄いから私のお気に入りなの!」


彼女曰く、あの日私にくれたあの桃色のリップは中々にいいブランドのものなので私にもオススメとの事だが、なにせ視線を集めてしまっているので殆ど話の内容が頭に入ってこなかった。

そりゃそうだ、こんな珍しい組み合わせなのだから驚くに決まっている。実際私も驚いているし戸惑いが隠せていない。というか、私が1番驚いてる。

彼女の形のいい白い指先が自分の机に触れているのを見て手が綺麗すぎる事や、顔を上げればすぐそこにある顔の顔面偏差値が高すぎる事に脳が麻痺してきたのかもしれない。暫くしたら、私は普通に彼女と会話していた。


「あーあ、もっと早く話し掛けてればよかったなぁ」

「え、なんで?」

「ふふっ、だって佐伯さん面白いんだもん。顔に感情出やすいんだね、かわいい」


えと、私面白がられてませんか。

そんな事を思いつつからかうような口調でかわいいだなんて言われてしまって、思わず唖然としてしまった。その瞳に濁りは見えないし、口調に違和感はない。自然体で彼女はそう言っているのだ。

……ほんとに、計算高いのか天然なのか分からない子だ。

不思議な子、という印象しかない。でもいい子なのは分かる。その視線に軽蔑の念や悪いは全く感じられないから。

だけど、私は疑い深い性格だ。席が坂田くんとセンラくんの真ん中になった瞬間に話し掛けてきた辺り、もしかしたら私は藍原さんが入っている男女グループの女子側に目を付けられたのかもしれない。そう思ってしまう。だって実際、女子同士の争いというのは醜いものなのだ。


「(……なんか、嫌な予感しかしない)」

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白雨(プロフ) - mさん» ごめんなさい気づかなくて返信遅れました(汗) 以前からの読者でしたか……!いつもお世話になっております◎ ありがとうございます〜!今度は最後まできっちり完結させるつもりですので、更新はゆっくりかと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2月12日 0時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。以前からこの作品が好きで何度も読み返していたので再掲してくれて本当に嬉しいです!ありがとうございます。無理のないペースで頑張ってください。更新楽しみに待ってます🫶🏻 (1月11日 2時) (レス) id: ae0456fc9b (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - 貴月さん» 以前の読者さまがいらっしゃったとは、びっくりしました……!その言葉を聞くことが出来て、また書き始めてよかったなと思えました。今度こそ必ず完結させます。また見つけてくださって本当にありがとうございました! (6月23日 21時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
貴月(プロフ) - コメント失礼します。以前からすごく大好きな作品だったので、またこの作品を読むことが出来て本当に嬉しいです!更新楽しみにしています…! (6月21日 16時) (レス) id: 76caf5b15a (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - yumeさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!後々、セさんの行動の意味や心情も分かるようになってきますので是非今後ともお付き合いください◎ (6月21日 11時) (レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白雨 | 作者ホームページ:疑心暗鬼の中で芽生える執愛。  
作成日時:2023年6月8日 21時

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