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時刻は午前7時。
ピピピ、という無機質なアラームの音で目が覚める。
起床時間を知らせるスマートフォンのアラーム音を画面をスライドすることで止めて、唸りながら起き上がった。
「……ねむ」
昨日は久々に夜遅くまで起きて小説を読んでいたから、眠気がどうにも収まらない。小説の展開が気になって目が離せなくなってしまったとはいえ、普段やらないことをやるものではないな……。
昨夜の自分の行動に反省しつつ、もう月曜日になってしまったのだという事を思い出してすぐにベッドから出た。
特に理由もなく伸ばしていた髪を手ぐしで軽く梳かし、リビングの方へ行く為に1階へと降りると、誰かいるのかテレビが着いている音がした。
お母さんは出張に行ったばっかりだし、もしかしてお父さんかな。
「お、お父さん！」
思い切って呼んでみたが返事はなくて、駆け込んだそこには誰もいなかった。
困惑していると、机の上に置かれたリモンコンの横に私が昨夜読んでいた小説が置いてあることに気がつき、自分が昨日消し忘れて寝てしまったのだと察した。
……そっか、そうだよね、お父さんはお母さんよりも家にいないもの。
「……はは、あほらし」
勝手に自滅していると、朝の情報番組で女性アナウンサーがニコニコと作ったような笑顔を愛想と一緒に周囲に振りまきながらニュースを伝えている様子が目に入った。
あぁ彼女、笑ってるのに疲れた顔してるな。
昔のお母さんもこんな顔してたっけ。
彼女もまた疲れているらしく目元にある隈も化粧で隠してはあるけれど、それでも黒い部分が薄く見えていた。いくら疲れていても、それでも笑わなければいけないだなんてニュースキャスターも大変だな、なんて他人事に思う。
自分もあほな事をしていないで早く支度をしなければ、と思った私はキッチンに行ってなにか作ろうとした。そして何を食べようかと冷蔵庫を開けた所で気がついた。
「……お父さん、帰ってきてたんだ」
冷蔵庫の中には箱に入ったショートケーキが2つ入っていた。そして、ケーキの箱の上には手紙が添えられている。
手紙の内容は出張が長引く為に今年は私の誕生日をお祝いしてあげることができず、ケーキを買うのが1ヶ月前になってしまったという事だった。
謝罪の言葉と共に、誕生日にまた連絡するというメッセージが書かれており、私は目の奥がツンと痛くなる感覚を感じながら朝からケーキは食べられないからと箱を元に戻した。
「……夜中でもいいから、帰ってきたなら起こしてくれればよかったのに」
今日学校から帰ったら、食べよう。
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白雨(プロフ) - mさん» ごめんなさい気づかなくて返信遅れました(汗) 以前からの読者でしたか……！いつもお世話になっております◎ ありがとうございます〜！今度は最後まできっちり完結させるつもりですので、更新はゆっくりかと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2月12日 0時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。以前からこの作品が好きで何度も読み返していたので再掲してくれて本当に嬉しいです！ありがとうございます。無理のないペースで頑張ってください。更新楽しみに待ってます🫶🏻 (1月11日 2時) (レス) id: ae0456fc9b (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - 貴月さん» 以前の読者さまがいらっしゃったとは、びっくりしました……！その言葉を聞くことが出来て、また書き始めてよかったなと思えました。今度こそ必ず完結させます。また見つけてくださって本当にありがとうございました！ (6月23日 21時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
貴月(プロフ) - コメント失礼します。以前からすごく大好きな作品だったので、またこの作品を読むことが出来て本当に嬉しいです！更新楽しみにしています…！ (6月21日 16時) (レス) id: 76caf5b15a (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - yumeさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！後々、セさんの行動の意味や心情も分かるようになってきますので是非今後ともお付き合いください◎ (6月21日 11時) (レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：疑心暗鬼の中で芽生える執愛。
作成日時：2023年6月8日 21時
