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自分より明るい色に惹かれて近づいた結果がこれとは情けない話だな、と心底思う。
坂田くんに彼女がいるという噂なんて聞いたことがないし、私は自分にも可能性があるんじゃないかといつの間にか勘違いしてしまっていたらしい。本当にどうしようもないお花畑の脳で嫌になる。
恋人同士と見て間違いないようなあの様子から見るに、あの二人の親密度は高い。瞬間的であっても確認できた彼の表情は楽しそうだった。
「(……って、これ以上思い出して自分の傷口抉ってどうすんのよ)」
なんだろうか、例えるならばセンラくんに傾きかけていた心に無理やり手を突っ込まれて、深い場所から浅い場所まで全てをぐちゃぐちゃに掻き乱されたような感覚だ。
頭の中がぐちゃぐちゃだ。何に対して感じているかも分からない嫉妬と醜い情の念に支配される脳がもう疲れたと悲鳴をあげるが、私は考える事をやめることができない。人の顔を見てその場の空気を読んで動いていた私が勘違いのせいでここまで追い詰められるとは、まだまだ相手の感情を察する能力が足りなかったようだ。
しかし、どうしようもなく頭のおかしい私は日常的に愛情の欠乏を感じているような人種の人間だ。
好きな人ができても満たされないものは満たされないのだろう。それならいっそ、彼らに突き放された方が楽なのに。そんな事を考えながら目を伏せて、冷たいだけの床を見つめた。
「……あー、やめやめ。馬鹿なこと考えすぎだ」
そもそも、この埋まる事のない心の穴をセンラくんなら埋めてくれるんじゃないかと考えてしまったことが、そもそもダメだったのかもしれない。
歪んでてもいい。依存されて束縛されるくらいが丁度いい。
そんな風に感じていたから、恋愛観も彼となら合う気がした。けれど、実際期待の念はセンラくんへ向いていても私が恋愛感情を持って好きなのは坂田くんだった。埋められない穴を埋めてくれるであろうセンラくんと、いつもみたいな笑顔と言葉で私を振り回すだけの坂田くん。
どうすればいいのか分からない。考えても考えても、まとまらない。
根本的に2人とも拒絶することが出来ればいいのだけど、今の私はそんな力持ち合わせていないのがネックだ。
どうすれば嫌いになれるのかなんて分からないけど、振り回されて自分の心がまた疲れていくくらいなら、私たちはきっとお互いを嫌いあっていた方がいいと思った。それが最良だと、私は思う。
その為に、まずはどうしようか。
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白雨(プロフ) - mさん» ごめんなさい気づかなくて返信遅れました(汗) 以前からの読者でしたか……！いつもお世話になっております◎ ありがとうございます〜！今度は最後まできっちり完結させるつもりですので、更新はゆっくりかと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2月12日 0時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。以前からこの作品が好きで何度も読み返していたので再掲してくれて本当に嬉しいです！ありがとうございます。無理のないペースで頑張ってください。更新楽しみに待ってます🫶🏻 (1月11日 2時) (レス) id: ae0456fc9b (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - 貴月さん» 以前の読者さまがいらっしゃったとは、びっくりしました……！その言葉を聞くことが出来て、また書き始めてよかったなと思えました。今度こそ必ず完結させます。また見つけてくださって本当にありがとうございました！ (6月23日 21時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
貴月(プロフ) - コメント失礼します。以前からすごく大好きな作品だったので、またこの作品を読むことが出来て本当に嬉しいです！更新楽しみにしています…！ (6月21日 16時) (レス) id: 76caf5b15a (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - yumeさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！後々、セさんの行動の意味や心情も分かるようになってきますので是非今後ともお付き合いください◎ (6月21日 11時) (レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：疑心暗鬼の中で芽生える執愛。
作成日時：2023年6月8日 21時
