2.主従関係の確定。 ページ4
教室に入ると、真っ先に目に入ったのはやはり坂田くんだった。
今日もいつものように楽しそうにクラスの人達とじゃれ合っていて、見ている私の頬も自然と緩む。
私が彼に気づいてぽわぽわとした雰囲気を漂わせていると、それが面白くないらしいセンラくんは「あとで空き教室な」と私にしか聞こえないような小声で言ってから自分の席についた。
空き教室って……
い、嫌な予感しかしない……
「センラ〜!今日遅かったやん!」
「そんな事ないやろー。ほら、時間もいつも通りやし?」
「ん〜?あ、まさか!センラおまえ、彼女できたな?!」
「え、なんでわかったん」
「なんか幸せそうな顔しとった」
「んふふ、そっかぁ、俺幸せそうに見えるんやなぁ」
会話を聞きたくなくて耳を塞いでいた私は、とりあえず机に突っ伏した。
やだもう無理……これからどうしよう。
なにが「いっその事、付き合っちゃう?」なのか分からない。半分脅されて頷いた感じだったし、あれは立派な脅迫だと思うのだけれど。
机の隙間から彼らの方を覗き見てみれば、センラくんと坂田くんが楽しそうに喋っていた。心做しか、センラくんの頬は赤く見える。
なんの話してたんだろう……
「(……訳分かんない……なんでこんなことに……)」
▽
▽
「遅かったね」
「ご、ごめんなさい……」
「別に俺はええんやで?Aが恥ずかしい思いしたって、俺に飛び火は一切来んし」
意地悪な言い方だ、と思った。
緩い口調で話しているのに、何故か威圧感を感じるセンラくんの言葉に、私は泣きそうになりながら謝る。
坂田くんはあんなに優しいのに、どうして彼と1番仲が良いセンラくんはこんなに意地悪で最悪な性格をしているのだろう。この場から逃げ出したくて仕方がない。
私は恐怖を和らげる為にスカートの裾をギュッと握るが、果たして効果はあるのだろうか。
「おまえは俺に逆らっちゃいけないの。いい加減覚えて」
「っ、でも、」
「はぁ……言うたやろ?俺はバラしてもバラさなくてもどっちでもええねんて。Aが苦しい学校生活送りたいんなら止めんよ?」
酷い物言いなのに逆らえないのは怖いからだ。
彼は肩を震わせて俯くだけの私の腕を引くと、使われていない所為で埃を被っている机の上に座らせた。
「言うこと聞かんとどうなるか、ちゃーんと教えてあげる」
そう言って笑った彼は、私のシャツのボタンを3つも外して胸元を露出させた。
私が突然の事で抵抗できなかったのをいい事に、彼は容赦なくその首筋に噛み付く。途端に、自分の口からは殆ど悲鳴に近い声が漏れた。
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白雨(プロフ) - mさん» ごめんなさい気づかなくて返信遅れました(汗) 以前からの読者でしたか……!いつもお世話になっております◎ ありがとうございます〜!今度は最後まできっちり完結させるつもりですので、更新はゆっくりかと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2月12日 0時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。以前からこの作品が好きで何度も読み返していたので再掲してくれて本当に嬉しいです!ありがとうございます。無理のないペースで頑張ってください。更新楽しみに待ってます🫶🏻 (1月11日 2時) (レス) id: ae0456fc9b (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - 貴月さん» 以前の読者さまがいらっしゃったとは、びっくりしました……!その言葉を聞くことが出来て、また書き始めてよかったなと思えました。今度こそ必ず完結させます。また見つけてくださって本当にありがとうございました! (6月23日 21時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
貴月(プロフ) - コメント失礼します。以前からすごく大好きな作品だったので、またこの作品を読むことが出来て本当に嬉しいです!更新楽しみにしています…! (6月21日 16時) (レス) id: 76caf5b15a (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - yumeさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!後々、セさんの行動の意味や心情も分かるようになってきますので是非今後ともお付き合いください◎ (6月21日 11時) (レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白雨 | 作者ホームページ:疑心暗鬼の中で芽生える執愛。
作成日時:2023年6月8日 21時