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保健室を出て、教室へ向かう。

教室へ入るとクラスメイト達が暑い暑い、と執拗いほどに呟いていた。聞くところによると、冷房の効きが悪いらしい。

確かに廊下に比べれば涼しいが、教室に入っても尚私の額には汗が滲んでは頬を伝っていた。保健の先生は私の事なんてお構いなしに坂田くんと雑談をしていたので私はさっさと立ち上がって保健室を出たのだが、失敗だった気がする。

センラくんがいないのが唯一の救いだけど、この様子では授業も集中できそうにない。今日はこのまま早退するべきだろうか。


「(……やばいな、思ったよりも暑い)」


ボタンを1つくらい外して体の熱を外に逃がしたいけれど、あの2人に付けられた噛み跡だったりキスマークだったりがあるので不用意に開けられない。

容赦なく噛み付いてきたセンラくんに、躊躇いもなくキスマークをつけてきた坂田くん。最早自分の恋心がどうなったのかどうかすらも分からなくなってしまった。

でも坂田くんに遊ばれるなら悪くないかも……なんて一瞬思ってしまった私は本当に頭が悪いと思う。

頭が悪い上に承認欲求を満たして欲しくて拒絶しながらもどこかで彼らを受け入れていて嫌悪感しか感じない。額に滲んだ汗を手で拭って自分の席に着くと、グラリと歪んだ視界に自分の頭が痛かった事を思い出した。

身体が怠い。肩や足が重たい。


「(……やっぱり、失敗だったな……)」













次に気がついた時、私は再び保健室のベッドで横になっていた。


「う……」


いつ倒れたのかどうかすらも記憶にないし、微かに香る消毒液の香りがするこの空間にぼーっとする頭では自分が今保健室のベッドで寝ている事くらいしか分からなかった。

記憶がないけど、倒れたとしたら教室……だよね。

誰が私のこと運んでくれたんだろう。もしかして先生かな……先生だったら嫌だな。悪い人じゃないけど、うちの担任は中年の男性だし。


「あら、佐伯さん目が覚めたのね。よかったわ〜」

「あ、はい……すみません、1日に2度も来てしまって」

「そこは別にどうでもいいのよ、とりあえず顔色が良くなってよかった。……それにしても、佐伯さんって彼に相当愛されてるのね」


にこにこ笑顔の彼女の言葉が理解できなくて、起こした体で首を傾げると、彼女は「やだぁ、彼のことよ〜!」と可愛らしく笑ってみせた。

いやいやそれだけじゃ分かんないですって。


「あなたが倒れた時ね、真っ先に動いた坂田くんがあなたのこと抱えながら走って私のとこに連れてきたんですって。青春ね」

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白雨(プロフ) - mさん» ごめんなさい気づかなくて返信遅れました(汗) 以前からの読者でしたか……!いつもお世話になっております◎ ありがとうございます〜!今度は最後まできっちり完結させるつもりですので、更新はゆっくりかと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2月12日 0時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。以前からこの作品が好きで何度も読み返していたので再掲してくれて本当に嬉しいです!ありがとうございます。無理のないペースで頑張ってください。更新楽しみに待ってます🫶🏻 (1月11日 2時) (レス) id: ae0456fc9b (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - 貴月さん» 以前の読者さまがいらっしゃったとは、びっくりしました……!その言葉を聞くことが出来て、また書き始めてよかったなと思えました。今度こそ必ず完結させます。また見つけてくださって本当にありがとうございました! (6月23日 21時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
貴月(プロフ) - コメント失礼します。以前からすごく大好きな作品だったので、またこの作品を読むことが出来て本当に嬉しいです!更新楽しみにしています…! (6月21日 16時) (レス) id: 76caf5b15a (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - yumeさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです!後々、セさんの行動の意味や心情も分かるようになってきますので是非今後ともお付き合いください◎ (6月21日 11時) (レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白雨 | 作者ホームページ:疑心暗鬼の中で芽生える執愛。  
作成日時:2023年6月8日 21時

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