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翌朝、学校へと向かう足は鉛のように重かった。
いつもと同じ通学路を歩くだけの行為なのに、今はしんどくて仕方がない。昨日の出来事を思い出しては頭が痛くなるのを感じた。
痛む顬を抑えながらスクバ片手に歩いていると、後ろの方から今1番聞きたくない声が聞こえてきた。そしてその姿を目に捉えた私は思わず目を見張った。
「佐伯さーん、おはよ」
「っお、折原くん……？！」
「ふはっ、慌てすぎやってぇ。別にまだ手出ししてないやん？あ、もしかして早く食うて欲しいの？」
「な……っ！なに言って……！」
まただ、また、からかわれてる。
この感じ、見下されているようであまり好きではない。
けれど、そんな私の反応を見て嬉しそうに笑った彼は何を思ったのか、私の背後に回ると後ろから腹に手を回す形で抱きついてきた。
他の生徒も登校しているというのをお構いなしにした行為に思わず体が硬直するが、そんな事を気にしない彼はそのまま私の耳元に唇を寄せて低い声で囁いた。
「もういっその事、俺と付き合っちゃう？」
「っ〜〜？！」
「付き合ってんの秘密にして俺と仲良くしてれば、佐伯さんのだーい好きな坂田とも接近できるかもしれんよ？」
「っ、な、に言ってるの……」
低い声で囁かれ、腰がビクビクと震えたせいで声も細くなってしまった。最早立っている事すら辛くなってきてしまって、私は抗えずに彼に身体を預ける形となる。
その間も耳に掛かる吐息に、体の力は完全に抜けていってしまった。
「あ、腰抜けちゃった？」
「やだ、も……っ、耳元で喋んないで……」
「反応ウブでかわいいなぁ」
で、付き合うの？付き合わないの？と、2択を迫られ、彼の気迫と圧力に負けてしまった私は震える声でYESを選択する。
「これで彼氏彼女やねぇ」
ようやく私を解放してくれた折原くんから距離をとって後退るが、彼の表情は相変わらず楽しそうだった。
この感覚、遊ばれている事を実感させられたようで好きではない。
「……折原くんの周りは可愛い子がいっぱいいるのに、なんで私なんかにちょっかい出すの……」
「んー？なんでやろねー？てかは、今日からお互い下の名前で呼ぼーや、これカレカノの鉄板ネタやろ」
「え」
「A、はよして」
低い声でそう言われ、肩をビクッと震わせながら私は制服の袖を握って小さく呟いた。
「お、おり……センラくん……」
「えぇー、君付け？」
「これ以上は勘弁してください……」
本当に面倒くさい悪魔に捕まってしまった、と心から思った。
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白雨(プロフ) - mさん» ごめんなさい気づかなくて返信遅れました(汗) 以前からの読者でしたか……！いつもお世話になっております◎ ありがとうございます〜！今度は最後まできっちり完結させるつもりですので、更新はゆっくりかと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2月12日 0時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。以前からこの作品が好きで何度も読み返していたので再掲してくれて本当に嬉しいです！ありがとうございます。無理のないペースで頑張ってください。更新楽しみに待ってます🫶🏻 (1月11日 2時) (レス) id: ae0456fc9b (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - 貴月さん» 以前の読者さまがいらっしゃったとは、びっくりしました……！その言葉を聞くことが出来て、また書き始めてよかったなと思えました。今度こそ必ず完結させます。また見つけてくださって本当にありがとうございました！ (6月23日 21時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
貴月(プロフ) - コメント失礼します。以前からすごく大好きな作品だったので、またこの作品を読むことが出来て本当に嬉しいです！更新楽しみにしています…！ (6月21日 16時) (レス) id: 76caf5b15a (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - yumeさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！後々、セさんの行動の意味や心情も分かるようになってきますので是非今後ともお付き合いください◎ (6月21日 11時) (レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：疑心暗鬼の中で芽生える執愛。
作成日時：2023年6月8日 21時
