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「A〜？もう……帰ってきたと思ったらすぐにお風呂入るし、出てきたと思ったら自分の部屋籠るし……」
薄いドアの向こう側から母の「どうしたの？なんかあった？」という心配の声が聞こえる。
ベッドの上で枕に顔を埋めたまま脱力感で動けなくなってしまった私はなにも返事をしなかった。特に何をすることもなく無言を通して母の言葉を受け流す。
あー……やっぱり、無理だ。
今の私には無理だ。
「(……誰とも、喋りたくない)」
遊ばれるのって、こんなに辛いんだな。しかもそれが坂田くんの1番の親友であるセンラくんに、だから余計に辛い。
だって、もしセンラくんが坂田くんに私のことを言ってしまえば、坂田くんは絶対に私を軽蔑すると思う。あの向日葵のような笑顔を失いたくない。チクられるのが怖くてセンラくんに強く言えない。
それに、心のどこかではどこかでセンラくんを受け入れてしまっていた、という罪悪感が今どうしようもなく襲ってきている。
確かに今日、坂田くんとお話が出来て会話か続いたのはセンラくんのおかげでもある。でも、あんな風にするのはおかしいよ。
私、なんでセンラくんの隣の席なの……？坂田くんだけで、よかったのに。
……学校、行きたくない。
▽
▽
坂田がAに興味を示すとは思わんかったなぁ、なんて呑気に考えながらゆっくりと帰り道を歩く。
Aは唇を離すとすぐに走っていってしまったから、俺は仕方なく1人寂しく家路を歩いているのだ。まぁでもAの耳まで真っ赤にしたかわいい顔拝めたからいいや。今回はペナルティも見逃してあげよう。
「(なにがあかんかったんやろ？)」
今まで彼女の事を気に掛けているのを分かりやすく表に出しながらも、坂田からの「好きなんちゃう？」という言葉を否定して地雷だと思わせ込む事で、彼がAに触れないようにしてきたのに。
予想外、その言葉しか出てこなかった。
「でも、キスとか拒絶せーへんかったんよなぁ、A」
案外脈アリかも。
彼女は泣いてはいたものの、俺を根元から拒絶するような動きは一切見せなかった。ただ戸惑ったように瞳を揺らして潤んだ瞳で見上げるだけ。
そしてその泣き顔は俺の性癖に深く突き刺さり、1年の頃から抱いてきた彼女への歪んだ想い更に増幅させた。
本当にあの子は、俺のことをどれだけ刺激すれば気が済むんだろう。
あの小さな体で必死に俺との平和な解決方法を模索する様は実に可愛らしいが、残念ながら俺はAを手元から逃がす気は更々ない。
「(……明日からの坂田の言動には注意、かな)」
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白雨(プロフ) - mさん» ごめんなさい気づかなくて返信遅れました(汗) 以前からの読者でしたか……！いつもお世話になっております◎ ありがとうございます〜！今度は最後まできっちり完結させるつもりですので、更新はゆっくりかと思いますがお付き合いいただけると嬉しいです(*´˘`*) (2月12日 0時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
m(プロフ) - コメント失礼します。以前からこの作品が好きで何度も読み返していたので再掲してくれて本当に嬉しいです！ありがとうございます。無理のないペースで頑張ってください。更新楽しみに待ってます🫶🏻 (1月11日 2時) (レス) id: ae0456fc9b (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - 貴月さん» 以前の読者さまがいらっしゃったとは、びっくりしました……！その言葉を聞くことが出来て、また書き始めてよかったなと思えました。今度こそ必ず完結させます。また見つけてくださって本当にありがとうございました！ (6月23日 21時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
貴月(プロフ) - コメント失礼します。以前からすごく大好きな作品だったので、またこの作品を読むことが出来て本当に嬉しいです！更新楽しみにしています…！ (6月21日 16時) (レス) id: 76caf5b15a (このIDを非表示/違反報告)
李 雨月(プロフ) - yumeさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけてとても嬉しいです！後々、セさんの行動の意味や心情も分かるようになってきますので是非今後ともお付き合いください◎ (6月21日 11時) (レス) id: 8fe15b8549 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作者ホームページ：疑心暗鬼の中で芽生える執愛。
作成日時：2023年6月8日 21時
