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あれから暫く経って、何故か私はじーっとうらたに見つめられながら彼に肩を抱かれている、というとんでもない状況にあった。
運転席がカーテンのようなもので仕切られているせいで車内にほぼ2人きりでいるような状態なのだが、リムジンの中は広いので十何人も座れそうなくらいのスペースがあった。だから最初こそ向かい合う形ではあったが、お互い少し離れた位置に座っていた。
なのに、だ。先程のことがあってから、彼は何を思ったのか席を移動した。しかも私の真横に座りやがった。
密室だから逆らったら何されるかわかんないし、怖いからこれ以上は余計なこともせず大人しくしてようと思ったんだけど……
「(……だからってなんでずっとこっち見てくんのこの人？！怖いんだけど！！)」
だらだらと冷や汗をかきながら、その視線からどうにか逃れたくて目を逸らす。まぁそんな事しても彼から逃げられる訳がなかったけど。
居ずらいなぁ、なんて思いながらまた窓の外に目を向けた私は不意にこの状況に既視感を覚えた。そういえば、前にもこんな状況になったっけ。たしか初めて会った時もこんな感じだった。あの時も私は冷や汗をかきながら正座して大人しくしていたし。
さすがにあの時は肩を抱かれていた訳では無かったけど、顎掴まれるわ顔じろじろ見られるわで散々な思いをしたのをよく覚えている。
しみじみ思うけど、私たちの出会い最悪すぎるでしょ。もし馴れ初めとか聞かれたらどうすればいいの。
「……お、ついたみたいだな」
「え？どこに？」
「俺の家」
「俺の家……って、なんで？！」
「恋人のフリすんなら一緒に住んでた方がいいだろ？あと俺の女ってなると多方面から狙われる可能性あるし、なんかあった時に近くにいてくれた方が守りやすいんだよ」
さ、先に言え！！そういう大事なことは！！
なんでもないような顔でトンデモ発言をした彼に「じゃ、降りるよ」なんて言われて次は腰を抱かれたが、もうそれどころじゃなかった。
ていうか多方面から狙われるってなんだ、私この人の女になったせいで命狙われる羽目になるのか。そんなの冗談じゃない。
「あのさぁ、さすがの俺でも傷付くからそんな嫌そうな顔しないでくんない？俺のガラスのハートがぼろぼろになっちゃうんだけど」
「絶対ガラスじゃなくて鋼のハートでしょ……」
「あ？なんか言ったか？」
「なんでもないです！！」
そう言って立ち上がった私は、彼の腕から抜け出していそいそと車から降りた。
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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜！私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します！！動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました！🥺お体に気を付けて更新頑張ってください！🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2023年6月21日 15時
