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ぞく、と背が震えた。
普段より低くした声で注ぎ込むみたいに耳のすぐ傍で直接そんな言葉を吐かれ、更には肩を捕まれてぐりぐりと首元の噛み跡を親指で押されたものだから、私は思わずくぐもったような声を漏らして彼の服を掴んだ。
傷跡を抉られるような痛みと同時に襲いくる、腰がずくずくと疼くような変な感覚。一瞬頭の中が真っ白になって何が何だか分からなくなってしまった。
なに、これ……体がおかしくなったみたいで怖い……！
「うわぁ……うらさんめっちゃドSやん、Aちゃん可哀想」
「あ？……嫌じゃねぇよな？なぁA？」
「っ、」
涙目になっているせいで彼が今どんな顔をしているのかもよく分からない状態のまま、私はこくこくと頷いた。どう足掻いても、結局私はこの人には逆らえないのだと分からされてるみたいで悔しくて、唇を噛んだ。
いつまでも意地を張っていたいのに、こんな風に脅されてしまえば威勢の良さなどすぐに消え失せてしまって、怖くて抵抗できなくなる。
痛みを伴う圧の掛けられ方は好きじゃない。だって恐怖で支配されたくない。言うことを聞かなきゃいけないと本能的に頭が動いてなにもできなくなってしまうから、嫌だ。そっと彼の方へ視線を向ける。涙が零れてクリアになった視界に上機嫌そうな彼の顔が映った。
こんな風に押し付けてくるくせに、恋人のフリをして欲しいだなんて本当に笑えてくる。
私は、こんなヤツ絶対に愛せない。たとえそれが演技だとしても。だってこの人は……
「(愛し方を知らない、獣みたいだから……)」
彼を見て、何故か私は冷静にそんなことを思った。
だって、本当にそうなんだもの。
おそらく言動を見るに私のことを気に入っているみたいだし、あの赤髪の人曰く彼は女性に対しては潔癖な節があるのに私には触ってくるのだから、嫌いとかそういう感情を抱いてこういう事をしてきている訳では無いと思うのだ。
なのに、恋人のフリをしている今ですらこんな風に触ってくる。まるで普通の恋人同士がどうやってお互いの愛を伝えあっているのか知らないみたいに思えて仕方ない。
生きている世界が違うとはいえ、同じ人間なのに。どうしてこの人はこんなに歪んでいるんだろう。
「これ以上はあかんって、うらさん」
突然のことだった。現実逃避をして彼の腕に抱かれながらもどうでもいいことを考えていた私は、その一言によって一気に現実へと引き戻された。
うらたの腕を掴むその手の先を辿ると、そこには先程まで浮かべていた愛想のいい笑みを消した赤髪の青年がいた。
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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜！私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します！！動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました！🥺お体に気を付けて更新頑張ってください！🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2023年6月21日 15時
