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「だからなんでおまえがついてくんだよ」

「ええやんかぁ!俺もこの子とお話したいもん気になるもん!」


明らかに不機嫌になったうらたに屈することなくニコニコと笑顔を浮かべる彼は、うらたにこっちにくるなとぐいぐい体を押されながらも私に向かって「俺、坂田っていうねん。さかたんって呼んで」と謎に自己紹介までしてきた。

メンタル強すぎるだろこの人。

何故かうらたの車に乗り込んできた彼は、真ん中に座っているうらたを挟みつつも私の方へ近づいて話しかけてくるものだから本当にやばいと思う。色んな意味で。


「ていうか、うらさんの恋人っていうからもっと歳上想像してたけど、君めちゃくちゃ若くない?何歳なの?」

「17ですけど」

「はっ?!じ、じゅうなな……?!まってまずいってうらさん!ロリコン趣味は否定せんけど未成年と付き合うのはちょっと、え、まってほんとに大丈夫?」


思ってもみなかった年齢だったらしく、彼は相当焦っているのかうらたの肩を掴むとそのままぐらぐらと前後に揺さぶった。

まぁたしかに私未成年だし焦るのも当たり前か。裏社会の人間とはいえこういうのはやっぱり焦るんだなぁ、なんて呑気に思いながら欠伸をする。環境変わったからよく眠れなかったのかも。お腹もいっぱいだし、昼過ぎだから眠くなってきた。


「め、めっちゃ呑気だこの子……普通にあくびしてる……」

「俺の前でも物怖じしないとこ気に入ってんの。ほら、俺の顔みて超嫌そうな顔してるっしょ?」


いやあんたが急に腰に手回してきたからでしょ。

そう思いながらその綺麗な顔を睨みつけるが、全くと言っていいほど効果はなかった。なんなら嬉しそうな顔すらしているのを見る辺り私は本当にヤバい奴に捕まってしまったと思う。

昨日つけられた噛み跡未だに痛いし。


「なるほどなぁ……じゃあ君にいいこと教えてあげるね。うらさんって女嫌いやから、ほんまは女性の体とか触れないんやで。指一本でも触られたもんならその女のこと沈めるしなぁ。まぁ嫌なのは分かるけど」

「え、こっわ……でも私には普通に触ってきてるよね?」

「なんかおまえは触ってても不快感ないんだよ」

「うわ、最悪じゃんなんで私だけ平気なんだろ」


心の声がだだ漏れな私はついそんな事を口走ってしまった。やべ、と思っておそるおそるうらたの顔を見る。

怖くてちらりと盗み見るような形で見たはずなのに、彼がこっちを見ていたせいでバッチリ目が合ってしまった。命の危機を感じた。


「Aはさぁ、昨日のだけじゃ足りなかった訳?もっと俺を刻みつけないと言う事聞けないの?」

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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜!私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します!!動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました!🥺お体に気を付けて更新頑張ってください!🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:白雨 | 作成日時:2023年6月21日 15時

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