5.波乱。 ページ26
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「美味しかったぁ」
「満足した？」
「うん」
大きめサイズのクレープを2つもぺろりと平らげた私を見て呆れながらも笑っていたうらた。
こんだけ食べれば引かれるかも、とかちょっと期待してたんだけどこれくらいじゃ効かなかったらしい。女に対しての理想が高いタイプではなかったようだ。非常に残念である。
それにしても、自分でもびっくりするくらい普通に食べれちゃったなぁ。おかず系のクレープじゃなくても意外といけるんだな、と思った。おかげで口の中は甘さが残っているし、お腹もいっぱいだけど満足感は凄い。糖分補給もできたし最高。
「お昼は……食えなさそうだな」
「クレープは食べられないけどチーズハットグなら食べられる気がする」
丁度目に入って食べたくなってきたチーズハットグがメニューにあるお店を見てそう言ってみたものの、今度は真顔で「もうやめとけ」と言われてしまったので私は大人しくそれに従った。
確かに食べてる間は幸せだけど、限界を超えて食べるとお腹がはち切れそうになるし、あとが怖いよね。
うん、もうやめとこ。
「……A、逃げるぞ」
「え？」
「嫌な予感がする」
「え？なんで急に？えっ？」
突然走り出したうらたに、腕を引かれる。
こいつ私がヒール高い靴履いてるの忘れてないか？！！
思わず転けそうになった私に気づいてすぐに振り返った彼は部下のひとりに「車もってこい」と命令しながら私のことをひょいっと持ち上げた。食べすぎてお腹が重たいし走るのは嫌だったので楽っちゃ楽だけど、この体勢で街中を運ばれるのは若干の恥を伴った。
道行く人がやばい集団を見ているみたいに目を見開いてこちらを凝視している。穴があったら入りたいレベルの視線だった。
うらたと居ると今後もこうやって好奇の目に晒されるのかな、なんて思ったら悲しくなってきた。私の黒歴史がどんどん増えていくんだけどこの人責任とってくれんのかな。
なんてどうでもいいことを考えていたら、部下のひとりがすぐに車を持ってきたらしく、目の前には気づけば行きに乗っていた黒塗りの高級車が停まっていた。さすがと言ったところか仕事が早い。そして彼に抱きかかえられていた状態から地面に降りて、言われるがまま車に乗り込もうとしたら──────
「ちょっとうらさん！逃げるとか酷すぎん？！」
聞き慣れない関西弁に、思わず足を止める。
振り返れば、今丁度真後ろに停まった車から出てきたらしい赤髪の青年が目に入った。彼は至極整った顔で微笑みながら、私のことを見た。
「その子が噂になってるうらさんの彼女？」
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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜！私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します！！動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました！🥺お体に気を付けて更新頑張ってください！🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2023年6月21日 15時
