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私の後に続いて車を降りたうらたは、別の車で追いかけてきていた部下とみられる男たちになにか指示をしてから私の方へ視線を寄越した。
そして、ただ一言。
「なぁんかおまえ、飾りっけないな」
「は？」
「化粧もしてないし、俺の女にしては質素すぎる」
なんて言って、悩むような顔をした。
いや当たり前でしょ。校則でメイクが禁止されてるんだから。そう思ったけど、そんなの知らないとでも言いたげな顔で深刻そうに「これは大問題だな……」なんて呟くものだから呆れてしまった。
なら、派手な女の人に恋人のフリを頼めばよかったのに。
私なんかにそんな事をさせるのが悪いのだ。ただの平々凡々な女子高生に何を求めてるんだか。
「A」
「へ？……あ、なに？」
「俺は今から仕事に行くから、Aは大人しく家で待っててね。あと必要なものあったら部下に言って。中で待機させとくから」
んじゃ、なんて言って彼はひらひらとこちらに手を振った。
あれ、もしかして……なんて思って期待する。
反社だけどこの人にも一応仕事があるらしい。学校に押し掛けてくるくらいだから暇なんだと思ってたのに。しかも何やら、様子を見るに思ったよりも忙しそうだ。部下たちがタブレットの画面を見せたり、なにか説明していたりして、彼はそれに対してひとつひとつ答えていた。
やっぱり……！この人が仕事忙しければの話だけど、私たちが顔合わせる時間って結構少なかったりするんじゃない？！
それならきっと私も一人になれる時間も多いはず。四六時中一緒にいなくていいだなんて嬉しすぎる。心の中でガッツポーズをきめた私は、早く行けという意味を込めてにこにこ笑顔で彼に手を振り返した。
「……俺が帰ったら、覚悟しとけ」
そんな捨て台詞を吐いてから、彼は車の中へ戻って行った。
▽
▽
「高層マンションの最上階に住んでる人初めて見た……」
うらたの部下に連れられて彼の家がある高層マンションの中へ入った私は、特に何も考えずにエレベーターに乗って特に何も考えずに降りた。
なので気づかなかったのだが、彼の家はまさかの最上階だった。
有無を言わさず鍵を開けられて部屋の中に押し込められて、とりあえず玄関で立ち尽くすのもあれなのでいい香りがする室内へ入ると、リビングからは都内を一望することが出来た。大きな窓が全面ガラスになっていて、まるで高級ホテルのような景色だった。
開放感もあるし、綺麗だ。ていうか相当広いし最上階だけど、家賃いくらなんだここ……。
恐ろしい事を考えてぞっとした私はそれ以降考えるのをやめた。
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李 雨月(プロフ) - 垣瀬さん» コメントありがとうございます。お仲間ですね〜！私も動物シリーズ大好きです(*´˘`*)♡ 私は初めて聴いた時から書きたくて仕方なかったです……笑。更新頑張りますので今後とも是非お付き合いくださいませ◎ (6月22日 19時) (
レス) id: 2d25cdcdc2 (このIDを非表示/違反報告)
垣瀬(プロフ) - コメント失礼します！！動物シリーズほんっっと大好きです♡♡この曲のパロも出ないかなーって思ってました！🥺お体に気を付けて更新頑張ってください！🙇 (6月22日 7時) (レス) @page5 id: 644357a4d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白雨 | 作成日時：2023年6月21日 15時
