不良少女は道化師

第１７幕　先生の優しさ ページ21

貴方side

父さんが近付いてくる。

(？「ニャア」

俺の前に居るのは今まで探していた。


(貴「先生。」

俺の唯一の家族と云える猫の先生。

そんな、俺と先生を無視して父さんは

俺達に近付いてくる。

(先「フシャァァァッｯ！」

近付いてくる父さんに対して先生が威嚇をする。

父さんが一度脚を止め、先生を見下ろしている。

父さんの瞳には光がなく、何かの感情が何かの感情と濁っている目をしていた。

(父？「何だ。野良猫風情が俺の娘に近付くな。」

そう云った父は

❲ﾄﾞｶｯ❳

先生を蹴り飛ばした。

(貴「ｾﾝｾｯ！い、嫌だ。やめろ。来るな。先生に触るな。"毒虫風情"がｯ！」

俺は先生に近付き、先生を守るように

前に出る。

"毒虫風情"



その言葉で父さん？は脚を止めた。

(父？「上品さが無いぞ。父様が教えたろ？「父さん」じゃないだろう？「父様」だろう？昔の様に呼びなさい。ほらっ！



❲ｻﾞｼｭｯ❳

......つｯｯｯｯ！」

父さんの手の甲から血が出ていた。

(先「ｼｬｧｧｧｧｧｧｧｧｯｯｯｯ」


先生が父さんの手の甲に爪を立てたらしい。

血が床を濡らしていく。

血の落ちる音が探偵社に響く。


先生はヨロヨロとした足取り。

国木田さんと太宰さんはただただ、黙って様子を見ている。

不安定な足取りをしても尚、俺を守ろうとしている先生。

手の甲から血を出している父さん。




嗚呼、先生。









好きだ。


第１７幕fin

第１８幕　親ノイキ過ギタ愛→←第１６幕　家族って？

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す