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〜キス・キライ・スキ〜 age17 ページ41

結衣Said

お話はまた,前日の放課後までさかのぼる。高尾と花日が屋上で大変な事になっていた,その同じ頃。当番の仕事で,私こと蒼井結衣がしばらく職員室に行っていたら,戻ってきた時にはもう,六年二組の教室には誰もいなくなっていた。と思ったら,ひとりだけ,いた。教室の一番後ろ,作り付けの棚の上に胡坐をかいて,こっちを見ているふてぶてしい男が。結衣「・・・・・・桧山。まだいたんだ」桧山「いて悪いか」結衣「別に。でも,他の子達は帰っちゃったんでしょ?」桧山「ざっとリコーダーの練習をやってから,すぐにいなくなった」予想通りの返事に,私はため息をついた。先生のアイデアもむなしく,クラスの男子と女子の対立は深刻だ。このままだと来週のリコーダーのテストもどうなるか・・・・・・。結衣「あれ,そういえば花日は?」桧山「綾瀬?それなら高尾が連れってたぞ。あいつ,すっげー下手だもんな。何処かで特訓でもされてるんだろ」へえ・・・・・・高尾って,意外と面倒見がいいんだ。まあ,高尾は元々万能タイプの男子だから,花日にも,上手にリコーダーを教えてあげられるのかもしれない。ダメなら私が教えようと思ってたけど,余計なお節介だったかな・・・・・・。結衣「じゃあ,こっちも練習しない?」だって一応,ペアなんだし。とは言わなかったけど。私がケースからリコーダーを取り出して楽譜を机の上に開いても,桧山は棚の上から動こうとしない。何度か促しても「蒼井の聴いてる」と言って,全然練習に参加してくれない。あきらめてしばらく一人で吹いていたものの,課題の楽譜を見るでもなく,かと言ってリコーダーを出すわけでもない桧山の怠けた態度に,だんだん腹が立ってきた。遂に我慢出来なくなって,私はリコーダーを口からはなした。結衣「桧山も練習しなさいよ」桧山「・・・・・・だりぃ」床の木目を眺めながら,退屈そうに桧山がぼやく。それを見て,私の中で何かがプツンと切れた。だるいのは私も同じだよ!恥ずかしいから男子には言えないけど,初めての生理でおなかも頭もすごく痛いし,なんだかずっと気持ち悪くて,イライラが止まらないのに。結衣「やる気ないなら,私,帰る」桧山「え?」びっくりして顔を上げた桧山へ,ランドセルに荷物を詰め込みながら,思わず嫌味を言ってしまった。結衣「私とペアなのが,そんなにイヤ?」少し乱暴にランドセルを背負い,わざと足音を響かせて,私は教室を出た。

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作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 見事な連携だね♪byさつき...  
作成日時:2022年10月18日 17時

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