トライアングル age18 ページ50
呆然としている私のところにも,心愛ちゃんは軽い足どりで絡んできた。心愛「ねぇ,花日ちゃん。そのリボンくれたら,高尾君の趣味教えてあげるよ?」花日「・・・・・・・・・ダメ」リボンをあげたくない訳じゃなくて,やっぱりそれって,ルール違反だと思うから。花日「知らないとこでプロフ回されるの,私ならイヤだもん」だって,それは心愛ちゃんの為に書かれたプロフなんだから。もし私が高尾だったら・・・・・・自分のプロフ情報が,他の人の持ち物と交換されたら悲しい気持ちになると思う。でも,私が言い返したのは,心愛ちゃんには予想外だったみたい。心愛「何よ,我慢しちゃって。彼女なのにプロフ書いて貰えないんでしょ?」私の耳元で,心愛ちゃんがくすくす笑った。心愛「可哀想な花日ちゃんに,心愛が特別に,高尾くんの事教えてあげる」花日「・・・・・・いらない」私はどんな言葉も聞かないように,自分の両耳を手のひらで塞いだ。花日「ダメだよ。そういう事するの,間違ってる」心愛「・・・・・・っ!いい子ぶって・・・・・・!!」心愛ちゃんの長い睫毛が,きりっと持ち上がった。怒ってるよね。だけど,私だって怒ってる。花日「私・・・・・・好きな人の事,こんな形で知りたくないもん!」耳を塞いでいたせいで,思ったよりも大きな声が出ちゃった。?「これ,なんの騒ぎ?」だから,不機嫌そうな高尾の声に気付くのにも,少しだけ時間がかかった。花日「高尾・・・・・・」教室の騒ぎに気付いた高尾が,私のすぐ傍まで来ていた。ゆっくり両手をおろした私の横をすり抜けて,心愛ちゃんが高尾の元へ駆け寄る。心愛「高尾君!心愛にだけプロフ書いてくれたんでしょ?心愛の事特別だから,色々教えてくれたんだよね?」心愛ちゃんにくっつかれた高尾は,少しだけ考え込むような表情になった。高尾「ああ・・・・・・アレ。多分全部,変わってるよ」心愛「ええーーっ!?」ショックを受ける心愛ちゃんに,高尾は冷たい言葉をぶつけた。高尾「それと,チェキがあるなら渡してくれる?隠し撮り,イヤなんだ。まぁ,兄さんは俺の隠し撮り写真いっぱい持ってるけどね。兄さんって,視野がすごい広いから。だから,諦めたんだけどね」心愛「そんなぁ・・・・・・」蓮華「心愛,忠告はしたわよね?後悔すんなって」蓮華ちゃんが放った一言に止めを刺されて,がっくり膝をついた心愛ちゃんの手から,プロフと写真が滑り落ちた。高尾はそれらを拾い上げ,迷うことなく破り捨ててしまう。それから,びっくりしている私の正面に立って,じっと顔を覗き込んできた。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...
作成日時:2022年10月3日 0時