トライアングル age1 ページ33
私,綾瀬花日が六年生になって一ヶ月が過ぎた。ゴールデンウィークあけの月曜日,うちのクラス—————六年二組に事件が起きた。「転校生!?」朝一で職員室へ行っていた日直の女子がスクープを持ってきて,私達のクラスは大騒ぎになった。朝活の時間になって,担任の先生と一緒に教室へ入ってきた男の子と女の子。男の子の方を見て,心臓がひっくり返るくらいびっくりしてしまった。だって,私の記憶に間違いがなければ,それはとてもよく知っている人だったからだ。多分私とは違う理由で,クラスの女の子達もドキドキしているみたいだった。先生が紹介している間も,新しい席が決まって男の子が椅子に座ってからも,楽しそうなヒソヒソ声が教室のあちこちから聞こえてきた。新学期のスタートから,少しだけ遅れてやってきた転校生。お父さんの仕事のいろいろな手続きや,新しく住む場所の準備に時間がかかって,春休みの終わりに間に合わなかったんだって。実は小さいころにも,このあたりに住んでいたけど,引っ越しをしてしばらく別の場所にいたんだって。それは,女の子も同じらしい。女の子の方は,この学校にお兄さんがいるらしく親の負担を軽減させるために,転校してきたとか。なんーて,あっという間にその男の子達についてアレコレ情報が出回って,次の休み時間にはもう,隣のクラスの女の子と男の子まで二組の教室に覗きに来るくらい,その子達は有名人になってしまった。それは,何でかというと……。「あの子,すっごいカッコイイよね!」「あの子は,すっごい可愛いしね!」「どこから来たの?」「ふたりとも東京からだって〜!」都会から来たカッコイイ男の子と可愛い女の子。このキーワードが,六年女子の心をグッとつかんでしまったみたい。「なんて名前だっけ」ヒソヒソ声はまだ続いている。「えっと,確か……堤歩君と相川紅葉ちゃん!!」
蓮華Said
今日は転校生が,二人来た。二人とも私達の幼馴染みで,堤歩はテツヤの実の弟だ。相川紅葉。本名灰崎紅葉は,隣のクラスの問題児の一人でもある,灰崎祥吾の実の妹だ。紅葉は私達が幼馴染みだとは,気付いてないっぽい。少しだけ残念だけど,元気そうでよかった。蓮華「転校生って,歩と紅葉の事だったみたいね」赤司「嗚呼。紅葉は気付いてなさそうだけどね」黒子「歩は,また花日の事を揶揄うのかどうか,楽しみにですね」さつき「そうだね」と私達は,話していた。
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:赤司蓮華 | 作者ホームページ:蓮華のホームページ?by赤司 そんなものはありませんby黒子 相変わらず息ぴったりbyキ...
作成日時:2022年10月3日 0時